ロリコンおじさんとトップ3

俺はあのイケメンの予想をあの3人に絞った。顔の良さや正義感などはメンタルが強くなければ出来ないはず、きっと上位の3人は強い上に顔もいいはず。そう思った俺は手当り次第聞いていった。あぁ早く会いたい

しかしあの3人はずっと忙しなく働いているから聞く隙がない。更衣室に行く所を見たいと思うも、全然行く気配がない。俺みたいな新人が急に話しかけても困らせるだけだ。


「まだ探してるの?物好きだね〜」


「あの人は俺の事を守ってくれた恩人なんです!」


「向こう忘れてるかもよ」


その可能性を考えていなかった確かにあの激務だ、忘れていてもおかしくない。けど忘れられてても構わない、俺にとっては嬉しくてありがたかったんだ。


「けど俺探したいです。何人も助けた中の一人だとしても、俺の中では唯一の恩人だから。」



「全く、そんなに言われたら探すしかないでしょ!長い道のりになるかもしれないけど、いけるよね?」


なんだか熱い展開になって来た。ただ女装したジジイが女装した人を探すだけなのに。けど何をするにしても本気で取り組む。その心を今この店で一番学んでる。

やってやるよ。


まずは聞き込みの結果としては、誰も俺の絵の主を見た事がないらしい。ここの定員だけじゃなく、客にも聞いてみることにした。


「ねぇねぇ、この絵の人見たことある〜?」


「分かんないなーそれにしても絵上手だね」


今日接客した人たちにも聞いてみたが、手がかりなし。どうしたものか。


「リコちゃんそういえば、トップ3はみんなと更衣室が違うんだよ!VIPな場所なの!」


「えっ!?」


これはかなり有力な手がかりになるかもしれない、そこで待ち伏せしたらきっと3人の顔が分かるはず。そうと分かれば早速実行だ。


まずはVIP室を探す所から始めるどうやらあの3人しか知らされてない部屋らしい。スパイみたいで楽しい、とりあえず3人の仕事が終わるまで待っておくことにしたが、全然終わらない。3人ともサービス精神大勢で、中々終わる気配が感じられない。あんな客なんてとっとと終わらせてしまえばいいのに。


閉店ギリギリまでずっといた。ようやく着替えるのかと思いきや、なんとそのままの姿で帰ろうとしていた。俺はびっくりしすぎて、思わず引き止めてしまった。


「ちょっ、えっ!?そのまま帰るんですか?」


「そんなわけないよー」


「ちゃんと着替えて帰るから」


「私たちはお客様の夢を壊さないように、店の近くではこのままなだけ。」


プロ意識高すぎ。ありえない、この仕事に本当に誇りを持ってやってるんだと驚いた。かっこいい、これはみんなが憧れるしVIP待遇にしないと、いけない気がした。


「すげぇ」


「リコちゃん、トップ3帰っちゃったよ!せっかく話しかけれたのに!」


俺はプロ意識の高さに感服し、肝心な事を忘れていた。


「3人ともカッコよすぎる」

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