ロリコンおじさんとイケメン

さっき助けて貰ったイケメンは、一体どこに行ったんだ。社会人の常識としてお礼くらいしないといけないからな、別にまた会いたいって訳じゃない。


「リコちゃんお疲れ~キモイ客に絡まれてたんだって大変だったでしょ?」


「本当に、男だから何してもいいなんて事ないですからね。」


ホント頭にくる、あのイケメンが守ってくれなければ危うく痴漢騒ぎだ。きっとここでは日常茶飯事なんだと思うけど、俺は無理だ耐えらん。


「そういえばテルミさん、更衣室でイケメン見ませんでしたか?」


「この店はいっぱいいるけど、さっきは私一人だったかな。どうしたの?」


「さっきジジイを追い払ってくれたイケメンがいて、お礼を言おうとしたけどもういなくて。」


更衣室にいなかった、そんなはずない。だって確実に更衣室の方に進んで行ったはずなのに。


「今日誰が出勤してるか見れる表があるよ、今日はNO.1.2.3全員いるから、その中の誰かじゃないの?」


写真を凝視するも、あまりの変わりように全然分からない。No.3のクールビューティなサキさんか No.2のキュートなミヤコさんか それともNo.1のマミさんなのか。

写真を見てる内にどんどん分からなくなって来た。


「俺そういえば、絵描くの得意なんですよ!だから描いたら分かるかもしれないです!」


そう俺は何を隠そうロリコン、世の中にロリ絵は溢れているが俺好みのロリじゃなかったり、絵柄が好みじゃなかったりなどで自分で供給する道を選び、みるみる絵が上達した過去があるから、比較的絵は得意。


「出来ました!こんな見た目でした」


鋭い目付きに、整った見た目。まるで二次元から飛び出したかのようなイケメンだった。


「見た事無いな~こんなイケメン」


「ホントにいたんですって、このイケメンが」


「あれじゃない助けて貰ったから、フィルターかかってかっこよく見えてるみたいな。」


そんなはずないのに、なんで誰も知らないんだよ。俺は色んな人に聞いて回ったけど、このイケメンの情報は得られなかった。もしかしたら本当に俺のトキメキフィルターによって、美化されてしまってるのか?このままだとロリコンより酷いことになるに違いないぞ!イケメンを求めて拗らせてしまうことは是非とも避けたい。


「誰かー助けてくれー」

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