ロリコンおじさん初化粧

女装だと、未知の世界だ。流石にちょっと無理だし無職がいきなり接客とか出来るわけない。


「女装はちょっと、あの」


「警察行くか」


そうだった俺は今女装キャバか警察行きかを、天秤にかけている所だった。


「やります」


肩を落としながら、カツラを装着した。けど化粧のやり方が分からない、こんな青髭剥き出しの状態で出ていくのは、ダメだと言うのは素人の俺でも分かる。けど一定の需要はあるのかなどと、考えていると後ろから殺気を感じた。


「何ボサっとしてるんや」


「化粧のやり方とかが分からなくて」


「ちょっと待ってろ」


どこかへ行ってしまった、この隙に逃げ出そうと考えたが、直ぐに帰ってきたので無理だった。


「はじめまして」


目の前には亜紀ちゃんのお父さんと美少女が立っていた。俺は動揺した、ロリコン歴20年超えの俺がとてつもなく揺らいでいる。

白い肌に、天使のようなドレス、そしてツヤツヤのツインテール、思わず鼻が伸びる。


「お前勘違いしてるかもしれんが、コイツは男や」


一瞬で恋心を奪い、そして消えていった。


「ごめんなさいね、僕はバリバリ男なんだ」


「あぁ…」


「コイツに化粧して貰ったら、すぐホール行けよ」


俺は男に化粧を教えて貰うのか、頭が混乱するな。いやまだ女の可能性だってあるはずなんだ、諦めないぞ。


「はーいじゃぁ、やっていきますね」


谷間を凝視するも、どうしても逃げられない股の膨らみが俺を現実に返す。マジで男なのかという絶望感に苛まれる。


「だから、男だって言ってるでしょ。ここのキャストは全員男。はい出来た」


無理すぎる、こんなに可愛いのに男ってそんなの無いよ


「早く鏡見ろ」


「はいぃ」


今のは確実に男の声だった、怖かった。

怯えながら鏡を見てみると、そこにはとんでもなくキュートな女の子がいた。Theロリだった。


「かわいいな俺、マジか」


「ホール行くよー」


「もうですか、早っ」


俺はそこで初めて、他のキャバ嬢を見た。

全員可愛くて、思わず見惚れてしまう、本当に男なのかが疑わしいくらいだけど、男なんだよな。


「自己紹介が遅れたね、僕はテルミって名前でやってるんだ。」


「源氏名ってやつですね。」


俺はどんな名前にしようかと、若干ワクワクし始めていた。すると亜紀ちゃんのお父さんがやって来て


「お前の源氏名は、リコや」


強制的に決められた。何でか分からないけど、俺はリコらしい。名前も明かしてないのにどういうことなんだ。


「お前は、ロリコンやからそこから取ってる。」


嫌すぎる、由来言われなかったら別に問題無いんだけど、聞いてしまったからには仕方ない直談判だ。俺の名誉に関わる


「自分で決めるんじゃないんですか?」


「犯罪者予備軍が口答えすんなよ。」


ぐうの音も出ない、仕方なく受け入れるしか無かった。


「ドンマイ、切り替えて色々見に行こ。」


いつでもテルミさんは優しい。こんな人で溢れていたらいいのに。


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