第24話 邂逅シュタークスライム

食堂で朝食を食べ終えた俺は再び森の奥地へ向かおうとしていた。

理由は自明でレベリングと金策だ。


ここ2日間森周辺の平原で狩りをしていたのだが、あまり収穫の実りが良くない。

それこそ稼いだ金が食費と宿代で消えちまうレベルだ。このままではいつまで経っても金がたまらねぇ。

それにレベルも上がらなければスキルレベルも上がらねぇ。


そんなことを考えつつフモアーさんに軽く会釈をして街を出る。


平原に出てくる魔物は低レベルのゴブリンやスライムだけなので対敵した時には急所を確実に突いて素材を取り森へと急ぐ。


森に着くまで片道30分ほどかかり、さらに拠点までは数時間はかかる。

悠長に歩いて森まで向かっていたら狩りの時間がなくなってしまう。


野宿はあまりしたくねぇ、人間は1度上げてしまった生活の質はなかなか落とせねぇからな。《星の夢》亭のおばちゃんに「今夜も顔見せておくれよ」って朝食食ってる時に言われちまったし、ちゃんと帰らねぇとな。


あれ?これ死亡フラグじゃね?


ってスライムが出てきやがった邪魔くせぇ!

霊樹の魔杖を振り上げ思いっきりスライムに叩きつけ、前方に吹っ飛ばす。

今日初の経験値獲得だな。

ササッと残液を回収してグロウムの森に行くか。

スライムに目線を向けると、違和感。

こいつ、死んでねぇ


刹那スライムが俺の懐へと飛び込んできた。


ゴムが弾性を利用してパンッと飛んでくるような速さだったのだが、何とか間一髪の所で杖を俺とスライムの間に挟み込む。


、、、のだが完全に衝撃を吸収することは出来ずに2mほど吹っ飛んでしまった。


こいつ、普通のスライムじゃねぇぞ、、、このパワーに素早さ、物理耐性と衝撃耐性を持っているってのにかなり思い一撃だったぞ!?

とりあえず鑑定してあいつのステータスを確認しておこう


「鑑定」


種族:シュタークスライム

Lv1

生命力150

聖神力50

攻撃力50

防御力50

魔法力50

素早さ45

運10

スキル

水撃Lv2 液状化Lv1 ウォーターボールLv2 酸液Lv2


耐性スキル

物理耐性Lv3 衝撃耐性Lv3 斬撃耐性Lv3 魔法攻撃耐性Lv2



まじかよこいつバグベアよりも強ぇじゃねぇか、生命力を初めに軒並みステータスが負けちまってるのは確定だよな、、、

死亡フラグって冗談だったんだけどな。割とガチで死にそうだわ。

とりあえず俺のステータスも確認しておこう


「鑑定」


種族:ヒューマン(ラナリア)

名前日宮優慎

Lv4

ステータスポイント残20

生命力18/21

聖神力7

攻撃力37

防御力27

魔法力2

素早さ46

運2



ステータスポイントを振るか?

生命力は今増やしたところで、回復しなければ意味がねぇし、聖神力は関係ない、攻撃力は杖のお陰で何とか食らいついているそれに貫通も持っているから尚更だ。素早さはギリギリ勝っている。魔法力も意味ねぇよな。

ここは防御力に振るか?、、、いやあいつの水撃やウォーターボールが怖ぇよな。水撃は物理攻撃だろうが現状の防御力で受けるのは非常に宜しくない、そしてウォーターボールは恐らく魔法だ。

どのステータスに作用して軽減できるのか、よく分かってねぇ現状防御力に全フリしてもウォーターボールを撃たれちまったら一環の終わりだ。

かと言って防御力を疎かにしたらふと攻撃を受けただけで死にかねない。


ここはそれらを考慮した上で素早さと防御力に10ずつ降って、1発も喰らわないようにしてぶっ倒すしかねぇ。


緊張と不安で手が震える。


額から雫がこぼれ落ちた刹那、俺は動き出す。


さぁ勝負だ。スライム!!





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