第22話 異世界飯って言ったら、、?

「えースライム15匹にゴブリン3匹ですね〜

合計で銅貨60枚になります。」


冒険者ギルドに戻ってきた俺は早速スライム討伐の報告と換金を行う。

内訳はスライム一体あたり銅貨3枚

ゴブリン一体あたり銅貨5枚だ。


ちなみに、討伐の証明方法については

その魔物が所持している特有の装備、又ドロップアイテム、、

まぁスライムを倒したら残液が残ったのがいい例だな、を提示するか換金すること、

しっかりと死体が残る魔物に関しては爪なり牙なりその魔物特有のものであればなんでも良いらしい


例えば、ゴブリンは剣を持っていくだけで討伐証明できるが、爪や歯なんかでも討伐証明ができ、歯なら28本で爪なら10個で一体分とカウントされるらしい。


なんなら爪や牙は需要があるため換金で結構な金額になるっぽい、お得だな。


今朝バグベアの武器を売った時、結構な値で売れたし、今度あった時は骨の髄まで金に変えてやるか。


それにしても夕方のギルドはこんなに騒がしいのか。


会議を行うパーティ、酒を飲み何やら騒ぐ人

形は違えど皆一様に盛り上がっている。

すごく、、楽しそうだな。冒険者ってすげぇホワイト企業じゃねぇか!


もちろん死ぬ時は死ぬんだろうけどな。


「新人さんは何か食べて行かれますか?」


少し考え事をしていた俺に受付さんが話しかけてくる。


少し考え事に浸りすぎてた見てぇだな。


「じゃあ、肉とお酒じゃない飲み物をお願いします。」


「あら、エールは飲まれないのですか?」


この世界では成人が15らしく、15からエールを飲む者も多くないのだとか。


まぁ俺は前世の価値観が抜けねぇようで

成人(18)じゃないのにお酒を飲むなんて少し気がひけるな。


飲んでも良いのだろうが、体への負担になるのは今世でも変わりねぇだろうしな。


「いや、村では飲んでいる人がいなかったので、抵抗があるんですよね。」


うん。村(学校)ですね。


「ではアリアの実のジュースをご用意しますね〜お肉が銅貨15枚でジュースが銅貨5枚になります。」


おぉ!ジュースを飲むのは久しぶりだな!

正直楽しみすぎる。

会計は銅貨20枚、、今日の稼ぎの3分の1だが、せっかく街に来たからには少しくらい贅沢をしても良いだろう。

お願いします。と一言返し受付さんに銅貨20枚を手渡した。


そして冒険者ギルドの左手側にある、食事処へと向かい、1番最初に目についた

右端にあるテーブルへと足を運び、席に着く。


冒険者の酒場なんて清掃が行き届いていないのではと不安であったが意外と小綺麗だな。

職員の方々が整備しているのだろうか?


酒場を人通り見回し、やる事のなくなった俺は

ステータスをどこに降るか考えることにした。


「ステータスポイントはどこに振ろうかな」


ベアテのおかげでステータスは満遍なくあがり

レベル自体も上がりやすくなった今、どのステータスに重きを置くかはさして重要ではなくなった。


問題は将来的にどのような ビルドステータス構成を組むかだよな。


正直魔法の強ささえ分かれば今後どのステータスを伸ばすべきなのかが見えてくるんだけどな。


現状だと素早さ、攻撃力、生命力が大事だが

今後魔法を主軸にして戦う可能性だってある。

勿論俺には使えないなんて事もあるかもしれないので魔法ビルド強そうだから!なんて希望的観測でステータスを振るわけにもいかねぇ。


、、、ロマンはあるけどな。


まぁ現状では決め兼ねるよな。



「お待たせいたしましたー。」


ハキハキとした男性の声が俺の思考を遮る。

どうやら注文した料理が出来上がったみたいだ。

ザ・まんが肉って感じの大きな骨付き肉と木のコップに注がれた赤い飲み物をウェイターさんが俺の席へと持ってくる。


すっすげぇ


しっかりと焼かれた肉の表面からは

まるで肉の涙と言わんばかりの肉汁がたれてる。

そのせいか表面はてかてかと光っており

食べる前から油がしっかり乗った最高級の肉であることが分かる。


これが異世界では銅貨15枚で食べれるなんて破格すぎる、、、。


初めに会計を聞いた時は高ぇなと思ったが。

なるほど納得のいく料理に俺は興奮が抑えられなかった。


「いただきます!」


がぶり


俺の母さんが使っていた28cmのフライパンでギリギリ焼けるかどうか程のサイズであるマンガ肉を中央から豪快にかぶりつく。


その断片からは尚肉汁が溢れ出し留まるところを知らない。


更に、恐ろしいことにこの肉は中までしっかりとよく焼きであるにも関わらず


とてつもなく柔らかい。


あ〜これは人をダメにする肉だな。


更に1口、もう一口と食べた所で

今度はジュースを手に取る。


うん。アリアの実の甘みと酸味を最大限に生かしたジュースがマンガ肉の肉汁によってコーティングされた口内をリフレッシュしてくれる。


最っ高の組み合わせだな。


多分肉を食べてもリフレッシュすることで0キロカロリーになってるわこれ。(なってない)


そんなサンドな人のネタ的な事を思いつつ


肉を食べては、リフレッシュすることで

あっという間に完食してしまった。


流石に肉とジュースだけって栄養バランスが狂いまくって居ると思うが。


まぁ美味けりゃよしだな。


間食した後食器を酒場の返却口と思しき所に戻し


俺は酒場を後にした。

「さて、今日の宿でも探すか」












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る