第20話 初めての換金

無事冒険者となった俺は森で集めていたスライムの残液やゴブリンの武器(ほぼほぼ売れなさそう)、バグベアの槍、剣、盾を換金することにした。


「すみません。登録をしたばかりで申し訳ないんですが換金をお願いしたくて」


「かしこまりました。ではこちらのカウンターにお出しください。」


収納鞄から持て余すことなく換金アイテムを取り出す。

そこまでの量はないので出し渋らずに全部出す。正直今は金が幾らあっても足りねぇからな。


「ほうほう、スライムにゴブリン、バグベアですねー。森を抜けて来られた感じですか?」


普通に転生したら森に居ましたなんていえねぇよな。

適当に合わせるか


「あまり深くには行っていないのですが端の方を少し通ってきましたね。」


「そうなんですね。ではバグベアに出会ったのは不運でしたね!このバグベアは別名初心者キラーなんですよ。ゴブリンやスライムに殺される冒険者は過去の事例でも少ないのですが

このバグベアに殺される方は少なくなくてですねー!」


まぁ攻撃力にブッパした熊だもんな。


普通に舐めてかかった冒険者が死ぬのか?


「それで毎年注意喚起をしているのですが、、スライムやゴブリンを倒して少し浮かれてしまった方が良くウルフやバグベアに殺られちゃうんですよね。あ、貴方も森の奥には行かないように!

冒険者は、命あっての冒険者ですから!」


無茶な冒険はしないようにってこったな。


「はい。気をつけます。」


「まぁ1度倒されてるのなら問題はなさそうですが、軽率な事は言えませんので。

それにイリノレアス時代からある冒険者ギルドの名を汚すわけにはいきませんもんね!」


確か今がノアレアスで先代がイリノレアス時代だよな?


女神の情報だと数百~数千年位前だったか?

あんまりよく聞いてなかったから覚えてねぇんだよな時代の話は。


「冒険者ギルドも面子が命ですもんねーやっぱり受付さん、も大変なんですか?」


とりあえずそれっぽいことを言って誤魔化しとこうか。ぼろが出た時が怖ぇが


「いいや、私一人がどうこうしたところで変わるとは思えませんから、これは私の理念みたいなものですね。」


この受付さんしっかりしている!

今のとここの世界の人たち全員素晴らしいんだが!?


もしかして日本よりも品性が良いんじゃねぇか?


それに喋りながらもテキパキと換金作業をこなしている。


この人は間違いなくできる側の人間だな。


「査定が終了しました。合計で銀貨2枚と銅貨4枚になります。

これからも頑張ってくださいね!」


そう言って麻袋に入れた硬貨を渡し、元いた受付に戻る。


よく考えたらこの人ワンオペで動いてるな。


そんな事を思いながら適当にスライムの貼り紙を受付に持っていき依頼を受ける。


どうやらスライムは度々街の郊外にある畑を荒らすらしく魔物というか害虫の様な扱いらしい。


じゃあ畑を柵で囲めば、、とはいかずスライムの酸液で溶かされたり持ち前の液体性を活かして侵入してくるらしい。


じゃあ街みたいにへいで囲んでやれよ!って思うがスライムやゴブリンは村人でも普通に倒せるらしいので国の援助などはないらしい。


後ラナリア国は野党と言った類の被害も少ないらしい。


なのでそこまでする必要は無いとか


ってことで俺ら冒険者が狩るだけで調和が保てるらしい。


まぁ他の国のことはよくわかんねーけどな


冒険者ギルドを出て街をも出ようと門に差しかかる時に声をかけられる。


「おう!ユーシンじゃねーか!冒険者には成れたか?」


そう門番のフモアーさんだ。

俺がこの街に入れた恩は一生忘れないだろう。


「さっきはありがとうございました。おかげで今日から冒険者です。」


スっと冒険者カードを顔の横まであげて冒険者である証明をする。


「良かったな!冒険者になったんなら敬語は辞めとけよ。」


ここでも言われてしまった。


どうにも年上と話すとなると敬語が抜けないんだよな。


高校で研修の先生とはタメで喋れるけど顧問とか年上の先生には敬語が一生抜けないあれと一緒だな。


「それ、冒険者ギルドでも先輩冒険者に言われたよ、気をつける。後頑張ってくるよ」


「おう!頑張れよ。」


そう言って俺は再び森に向かうのであった。



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