サバイバルEarth 宇宙ゲーム編ーⅡ

第七密度の直感

第36話 第七密度の直感

 第七密度――


 想像もつかない地底深くだということだけは、分かる。蒼桐は飛鳥に目線を向けて、ふと気づいた。

 飛鳥の眼が輝いている。蒼く、黒く、白く……そんな目をしていた。


「飛鳥?」

「――一瞬だけど夢見たのよね」


 同時に会話をして、二人で押し黙って同時に「でね」と話し出した。


 おろおろする二人に、伯井が声をかける。


「第七密度だと言っただろう。意識のみの世界だ。そろそろいいか、君たち、上を向いてごらん」


 言われたとおりに見上げると、そこには屋上に横たわった二人の姿があった。


「あんな野ざらしにしていたら、鴉が」

「そんなrubyの手下はおらん」


 伯井は煙草をくわえると火をつけて煙を吐いた。


「まだ密度が低い君たちは、こうしないと潜れない。起きればこれは全て夢か幻だったと思うだろうな。こうしている間も夢は進んでいるんだ。飛鳥ちゃん、きみが見ていたのは『前世・過去生』だな」


 伯井は驚く飛鳥の手をひょいと取ると、目を細めた。


「意識の世界だからね。君の過去生は地球連邦の研究者。魂のクリーニングが十分ではないと、そういった過去生を覗くんだ」


 意識の世界。

 何もかもがホグワーツとナッシュ理論で成り立つ世界。かつて、モーゼもこの密度に到達したと言われている。


 でも自分が見たのは伯井の過去だった。


「どこに、降りてるんですか」


「第七密度。エリア・phantomの最深部。そこまで逝けるヤツは少ないが、ランドルが手を貸しているからと……ヴァーチュアス世代なら直感で分かるだろ、蒼桐」


 直感力。

 しかし、蒼桐はこれがまだ何かは分かっていない。


「……まさか、兄貴がいるんですか」


「それを直感というんだ、ガキ」

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