14発目 形見

 俺はとてつもなく大声で叫んだ。俺が今持ってる銃……それはユウさんが元々持っていた銃だったのだ。


〜十数分前〜


 俺は外に出ようとしたが箱の底に紙が張り付いて居るのが分かった。俺はその紙を手に取り、見てみると、

『この銃と弾を取った者に by高橋裕翔』

と書かれた紙が入っていた。

 俺は慌ててその紙に書かれた内容を読んだ。

『この銃と弾を取った者に by高橋裕翔

 もし、俺が不慮の事故で死んでしまった時にの為に手紙を残す。

 この銃は元々、俺がこの世界に来た時に持っていた物だ。俺は元々ハンターとして働いていた。その時に使っていた銃だ。弾は元々持っていた物に加えここで調達した物である。もしも、この銃を手に取るという事は何か命の危険があるからだろう。俺はこの銃のお陰で助かった事がいくつもある。この銃が守ってれる事を祈ってる。』


 ユウさんが何故この銃を手放したかはわからない……けど、そのおかげで切り抜けられ倒せる糸口を見つけた。

「あの男の武器だったのね……いいわ……やってしまえば私の魔法の秘密は気づかれないのだから!」

アルメニアは再び魔法を唱え始めた。

悪契約召喚イーヴォルコンタクトサモン漆黒界の蛇ダークスネーク

床に魔法陣が浮かび上がりそこから黒色の岩の蛇のモンスターが現れた。かなり大きく通路の殆どを占めていた。

「行きなさい!こいつをあの世へ送りなさい!」

アルメニアがそう言うと黒色の蛇は俺に向かって突進してきた。

俺は反射的に銃で応戦した。するとそいつは突進をやめて1回引いた。

かと思ったら、

「シャーっ!」と再び襲ってきた。俺はまた撃とうとしたがさっきの弾の排莢などが出来ていなかった。やばい…コッキングの隙を突かれた!

慌てて俺は避けたがこんな事を繰り返してたら弾が切れたらやられてしまう……

とりあえず距離を取りながら当てていくしかない……

 俺は全力疾走しながら近付いてきたら撃つを繰り返した。なんとか走りながらリロードをしてを撃つっていたが問題が発生してしまった……

 リロード為にポーチに手を入れたが弾がなかった。そう、ドラゴンブレス弾はあと銃に入ってる4発しかない……

「クソっ……」

 俺は諦め、最初に撃っていたバックショット弾を詰めるだけ詰めた。ドラゴンブレス弾とは違い、良くあるショットガンの弾でありシカなどの動物を狩るのに適しているが、こいつ自体にこの弾が効くかどうかが分からない…フォアエンドをコッキングし排出された弾を排出し、その弾をポーチに入れた。

「シャーッ!」

そんな事をしてると、追いつかれてしまい飛びつかれそうになってしまった。俺は怯むだけでもいいから効いてくれる事を祈りつつトリガーを引いた。

頼む…効いてくれ…

バァン!

「シャー!!」

効いた!?

 蛇から血が出てきた。自分でも一瞬分からなかったがある程度推測が付いた。恐らく、魔法を持っていないんだ……アルメニアの様な魔法を持つやつはこの弾は聞かないが、逆に持ってないやつは効く……てっきり俺は魔法で召喚されたモンスターなどは魔法を持っていると勘違いしてたようだ。

 これならいける!フォアエンドにあるレバーを再び操作し、セミオートモードにした。

俺は追撃をかけるようにバックショット弾を打ち続けた。2発目を撃ったら2発リロードして撃つを繰り返した。着実に当てては逃げてを繰り返した。

「………」

弱りつつある蛇を見てアルメニアは怒りが顕著になりつつあった。

「忌々しいわね……」

何発撃ったが分からないが、蛇の動きが鈍りつつあった。バックショット弾も銃に入ってる物で最後だ。

「これで終わりだ!」

俺は蛇に向けて2発の弾を御見舞した。

「シャァァ……」バタンッ!

蛇の体が地面に落ち、ピクリとも動かなくなった。

「くっ、私の蛇まで殺るとは……だけど、もう銃の中にはあの弾は残ってないはずよ……」

アルメニアはにやりとしながら言った……

それに対して俺はフォアエンドのレバーを再び操作してこう言った

「バーカ!入っとるわ!」

俺は総宣言しながらフォアエンドをガチャガチャ動かしながら3発撃った。 

 だが、それを知ってたかの様にアルメニアは蛇のの死体を操作し、盾にした。

「マヌケね……まだある事は分かっていたのよ……全弾撃たせる為に言ったのよ。」

 アルメニアは笑いながらそう言い、黒い剣を持ちながら俺に迫ってきた。

「これでおしまいね!」

剣で俺を串刺しにしようとしたが……

「念の為もう一度言うぞ……バーカ!入っとるわ!」

バァン!

「キャァッ……」

俺は最後の一発を撃った。何故残っていたのかというと、薬室に一発だけ残っておりアルメニアは2発と勘違いしだった。俺はポーチに手を突っ込みそこに入っていたドラゴンブレス弾を装填し、再び発砲した。

 するとパキーンという音と共にアルメニアから赤いガラス破片が飛び散った。その破片は実体は無かったがすぐに消えた。

「しまった……」

アルメニアは焦っている様子だった。俺はベネリをアルメニアに向けて投げ、直ぐにFNX45を取り出した。俺はアルメニアに向け質問をした。

「もしかして、魔力を使い果たしたか?」

「チっ……」

 どうやら図星のようだ。ファンタジー世界の定番である魔法といえば魔力などを消費して使う物だ。あんな物デメリット無しで使える訳がない。ましては、常時バリアを貼るような魔法はずっと魔力を消費し続けるはずだ……

「魔力は無くなっても私にはまだこの剣があるわ……あなたを殺す事はまだ可能よ……」

そう、まだ魔力が尽きただけで戦う手段は無くなった訳じゃない……恐らくこんな事を言うのは自身があるからなのだろう。最初に拠点来た時にみたいなあの動きも魔法を使わないアルメニア自身の動きなのだろう。そうすると接近戦は不利になる……

 時間がいる………一か八か俺はある提案をする。

「なあ、少し時間取らないか?」

 

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