12発目 約束と願い

 俺はそれを聞き震えながら急いで銃を構え射撃しようとしたが撃てない。弾は装填されておりマガジンにも弾は入っている。だけど、撃てない。いや、撃てなかった。

 何故だろうか?少し考えたが答えは単純だった。

   "恐怖心でトリガーを引けないから"

 今まで射撃した時に味方が死ぬ様な自体にはならなかった。ユウさんという大事な仲間が目の前で県で突き刺され倒れ込んでしまった。そして、自分自身に命の危険を感じ恐怖で動けなくなってしまった。

「あら?怯えてるの?かわいいおもちゃだこと……だけど、もう遊び飽きたのよ……死んで頂戴」

 アルメニアがたった一本の剣を飛ばしてきて俺は撃ち落とそうとしたが撃てなかった。

(…!!)

自分もやられると感じたその時、アルメニアの足元から何か飛んできた。その飛んできたものは剣を撃ち落とした。

 俺はその方向を見るとユウさんがRPK74を片手で持って撃ち落としていた。

「まだ生きていたのね…しぶといこと……」

アルメニアがそうつぶやくとユウさんが叫んだ。

「まだ、お前は死んでない!銃を持って立ち向かえ!」

俺はそれを聞いても恐怖で撃てずにいた。

「うるさいわね……さっさと死になさい!」

アルメニアは剣をユウさんに突き刺したがユウさんは喋るのを辞めなかった。

「生きてまたあの世界の空を見に行ってくれ……それが……俺の願い……だ…」

 ユウさんが息絶えたのを見てアルメニアは県を引き抜いた。

「うざいわねあなた達は……まあ、いいわもうその声も聞かないのだし。」

そう言うとアルメニアは呪文を唱え始め叫んだ。

悪の聖剣ホーリーソードオブイーヴォル

 黒色の剣が現れる俺に向けて放った。

「死になさい」

 放たれた瞬間、俺の頭の中で色々な事を高速で考えた。

俺は何故今ここに居る?俺は何故今こうなってしまっている?

俺は何故今""生きている?""

違う生きているのじゃない、生きようとしてるんだ。ユウさんが最後に言っていたあの言葉…

『生きてまたあの世界の空を見に行ってくれ』

ダダダダダダ!

銃から弾が出て黒い剣を撃ち落とした。

俺は覚悟をした。ユウさんと約束したんだ。

【またあの世界、元いた世界に戻ってあの空を見る】

「アルメニア、お前に宣言する……」

『お前を倒して、他の仲間もひとり残らずやる』

 それを聞いたアルメニアは顔をしかめて言ってきた。

「目障りなおもちゃね……さっさと消えなさい!」

アルメニアは再び呪文を唱え叫んだ。

悪の聖剣ホーリーソードオブイーヴォルセカンド

 黒い剣が五本現れ俺に向けて放たれた。

俺はそれを撃ち落とすのではなく来た方向へと走った。一本の剣が俺の頭めがけて飛んできたのに対しスライディングをして避け曲がり角を曲がった。

 続いて、二本の剣が俺の胸あたりを狙っていた。俺は後ろを向き立ち止まりSCAR-Hを使い打ち落し再び走り始めた。そして、また曲がり角を曲がった。

 曲がった後一本の剣が俺を通り過ぎ180度回転し俺に向かって突っ込んできた。更に後ろからも剣が飛んできた。俺はFNX45を取り出して前の剣を打ち落とした。

 しかし、後ろの剣は迫ってくる。撃ち落とそうとSCAR-Hを持って後ろを向いたときには剣が約1メートルぐらいの近さだった。

 ガキィィン!そんな音が響いた。剣が俺には刺さらなかったが持っていたSCAR-Hに刺さってしまった。

「くっ……」

 メインウェポンが壊れてしまった。今から部屋に戻っても武器はベットの下にあるカバンに入ってるしかなく簡単には取り出せない。

 いや、違うもう一挺だけある。後ろからアルメニアが迫ってきており考える余裕はない。

 俺は急いで部屋に戻った。だけど、武器を取ってる間にやられてしまう。

 そんな事を考えながら部屋に通じる曲がった。角を曲がった先に敵がいた。俺はとっさに叫んでしまった。

『おい!敵が後ろにいる!助けくれ!』

それを聞いた敵は焦ったのか俺じゃなく、アルメニアに向けて攻撃をしてしまった。

「ばかっ!味方を攻撃してどうするの!」

あっけにとられてる敵を通り過ぎて部屋まで急いだ。気がついた敵が俺を追い始めたが距離があったがどんどん縮まっていった。

「もう追いつくぜ!お前の血のい‥グホッ!」

俺は持ってたSCAR-Hを投げつけて再び離した。自分の部屋まで来て部屋に急いで入った。

 そして、急いで棚に行き本を引いた。棚が動き後ろの窪みから銃を取り出した。

 『ベネリ M3 Super 90』

    系統 ショットガン

     製造元 ベネリ

      使用弾薬 12ゲージ 

       作動方式 反動利用方式

元々部屋にあった一挺の銃で前の部屋の住人が置いていった物だった。そして弾が入ってる紙箱を手に取った。そして、中のショットシェル【ショットガンの銃弾】を取り出してM3のチェンバーに入れコッキングしチューブ式マガジンにシェルを詰めていった。薬室含め8発の銃弾を入れ装填完了した。

 残りのシェルを持つため装備変更をする事にし、リグをショットガン用の物に変更、そして左太ももにショットシェルポーチを取り付けた。リグとポーチにショットシェルを入れ準備完了。立ち去ろうとした時、箱の底に書いてあった文字を見た。


╾━╤デ╦︻


「あいつはここにいるな」

アルメニア様の命令で逃げた人間を追ってきたてこの部屋に逃げたのを掴んだ。これでさっきのミスを帳消しに出来る!

 部屋に入ろうとしたその瞬間、扉が勢い良く開きそこには黒い棒を持った人間が居た。

 そして、黒い棒をこちらに向け棒の先っぽから火が見えたと思ったら俺の視界が真っ暗になった。

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