11発目  魔法

 俺はP90のセレクターをフルオートにし、襲ってくる奴らに射撃を繰り返した。50連発の弾丸が敵を襲うがそれでもなお襲いかかる敵。急いでマガジン交換をして引きつつ戦って行った。

「走って後ろに後退しろ!」

味方がそう叫び俺は射撃を中断して後ろ全力で走った。味方が俺の背中にいる敵にめがけ何かを投げた。俺は一瞬で理解して障害物しゃへいぶつに隠れたその直後、ドォォン!という音が聞こえてきた。どうやら味方がグレネードを投げたらしい。グレネードのおかげで敵は一時的に居なくなった。俺は遮蔽物しゃへいぶつから身を出して後ろの方に引いていった。


︻╦̵̵͇̿̿̿̿══╤─


 後ろの方に来ると見慣れた人が二人居た。

「よう、期待の新人。大丈夫か?」と声をかけてきたこの二人はゲートの時にお世話になった隊長さんと運転手さんだった。俺は大丈夫ですと答えると

「まだ銃の弾はあるか?俺ら二人は駄目だ。弾を撃ち尽くしてしちまったよ。ここまで引くときにマガジン全部使い切っちまった…今自分の部屋にあるマガジン含めてだ…」

手に持つAKを見せながら言ってきた。

「なるほど…なら着いてきてください。銃は違いますがなんとかなります。」

俺はそう答えると二人を連ある場所に走って向かった。


╾━╤デ╦︻


俺はとある場所に連れてきて持っていたP90とマガジンを運転手さんに渡した。そしてそこにあった銃を手に取り隊長さんに渡し、近くにあるもう一挺いっちょうの銃を手に取った。

そう、ある場所というのが俺の部屋なのだ。

たまたまあそこから近く銃が4丁ある俺はその内の2つ、FN MINIMIとP90を二人に渡したのだ。

 俺は急いでSCAR-Hを持ちリグに入っていたマガジンを取り出しSCAR-Hのマガジン入れた。二人もリグにマガジンを入れたり、マガジンポーチを腰にぶら下げていた。

準備が済み全員飛び出すように部屋から出て行った。

「恩に着る!とりあえず拠点内の敵を一掃しよう!」と隊長さんがいうと再び別れて隊長さん達はゲート付近を守る為に移動した。

別れた俺は別方向から聞こえる銃声が聞こえ、その方向へと走って行った。


╾━╤デ╦︻


 銃声が聞こえた所に来るととてつもない惨事だった。そこには無数の死体が転がっており銃弾を受け死んでる敵も居れば切り刻まれ死んだ味方の死体もあった。

 そして、俺が駆けつけた時には最後の味方が敵の女であるアルメニアに首を捕まれ抱え上げられていた。そして、鈍い音が鳴り響き抱え上げられていた味方はピクリとも動かなくなった。放り投げたあと俺をみてこう言ってきた。

「あら、あの時にいた子じゃない。私にやられにきたの?」

あぁ……これはまずい……

「魔王軍第4団に所属の長、アルメニアに叶うとでも思ったのかしら?」

俺は名乗ってる最中にもかかわらずSCAR-Hをフルオートでぶっ放し、マガジンを交換した。しかし、アルメニアには一切効いている感じはなかった。

「名乗りすらさせてくれないなんて野蛮な連中ね。まあいいわ、さっさとここを壊滅させればいいだけなのも。最後の生き残りらしいし聞くわ、あなたお名前は?」

「矢本留だ。」

俺は正直に答えた。

「遊びがいのあるおもちゃね…楽しませてね…」

そう言うとアルメニアは周りに落ちていた約13本の剣を浮かせこちらに飛ばしてきた。俺は銃で剣を撃ち落としてゆきなんとか致命傷になるものは撃墜した。

「あら、楽しみがいがあるおもちゃだこと、そうこなくっちゃ」

アルメニアは先ほどより数の多い40本ぐらいの剣を飛ばしてきた。俺は条件反射で撃ち落とそうとしたがボルトストップが入った。

そう、弾切れを起こした。

(やばい、全部撃ち落とせない……)

俺は慌てて回避したが1本の剣が俺の左太ももを掠めた。掠めたところから血が滲み出てきた。

「ここまでのようね、それじゃ死んでもらおうかしら」60本近くの剣を浮かせながらそう言ってきた。撃ち落とそうにも弾が足りず、避けようにも怪我をしているため先ほどのような動きが出来ない。

(やばい………)

俺はSCAR-Hでなるべく多くの剣を撃ち落としたがそれでも足りない……

(終わった………)

そう考えていると

ダダダダダダ

後ろから銃声が鳴り響き剣を全て撃ち落とされてしまった。

俺が後ろを向くとRPK74を持ったユウさんが居た。

「よく耐えたな、とりあえずそれを使って止血をするんだ。」

救急セットを受け取り急いで遮蔽物まで移動し止血を始めた。


▄︻̷̿┻̿═━一


「あら?仲間思いだこと。あの数よく撃ち落とせましたわね…」

「当たり前だ、ここにいる以上仲間だという事には変わらない……」

 俺は止血を進めながらその様子を隠れながら眺めていた。

「さっさと帰ってもらおうか?」

「いいわよ、私を倒せたらね!」

 ユウさんがRPK74をフルオートで撃ち、アルメニアは剣を浮かせ飛ばしてくる。

それぞれ、遮蔽物を上手く使い戦っていた。

ユウさんが紐がついた瓶を取り出し火を付けアルメニアが居る遮蔽物に向けて投げた。

アルメニアは急いで遮蔽物から移動し接近戦に持ち込んだ。

しかし、ユウさんまで距離がありそこを逃さずRPK74で狙いを定め射撃した。確実に当たる距離での射撃。絶対に避けられないはずだった。

 しかし、銃弾はアルメニアを覆う見えない膜によって弾かれた。アルメニアは少し衝撃が来たのか知らないが挙動が不安定になったがアルメニアはユウさんに至近距離で近づいた。

そして、剣でユウさんの胸を貫いた。

「何故……あったのに……」

俺がそうポツリと呟くと、

「あなた達の攻撃は私の魔法で無効化されたのよ」

無効化……当たっては居た。しかし、魔法によって弾かれてしまったのだ。

 そして、アルメニアは剣を引き抜きユウさんは膝から崩れ落ち目を開けたまま倒れ込んでしまった。アルメニアは笑みを浮かべながら言ってきた。

「さて、あなたもやって終わりにしましょう」

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