3発目 ガンスキル
銃を運びつれて来られたのは一つの部屋。そこにはターゲットとなる的や人形が置かれていた。銃を机に置くと悠斗さんから端末を渡された。スマホと同じだか自分が持ってたものより頑丈そうだった。
「その端末に触ってみろ」
端末を触ると光の粒子が現れて俺の体に付き姿を変え始めた。光が消えると装備がついていて服の上からチェストリグが装備され腰にはハンドガン用のホルスターが装備、そして頭にマイク付きのヘッドセットが装備されて終わった。
どうやら今みたいな感じで装備を着るらしいて……異世界やばすぎだろ……なんでもありやん……
「その端末は拠点でしか使えない仕様でアーマーやリグの装備などが簡単に出来るんだ。ここ以外ではいま拠点に必要な物やデータなどが表示される仕様になっていてマップを確認できたり、無線としても使えるぞ。」
聞く限りかなり高価な物だと確信した。無くしたら絶対に怒られるパターンのやつだ……
「ちなみにどっかで落としても平気だよ、ストックは凄くあるし簡単に作ることが可能だから」
簡単なんだ……これ……そして、レアリティとかがすごく低いやつなんだ……
そんな事を思っていると付いてきた人達の中の一人がが箱をを持ってきた。中身はマガジンが入っていて弾が既に入っていた。一つは長方形のマガジンでありスマホといい勝負ができそうな大きさだった、もう一つハンドガン用のマガジンがあった。
多分、SCAR-H用のマガジンとFNX45のマガジンだろうと予想した。つか、マガジンもあるんだ…意外と物資潤ってるな……この拠点……
そんな事を考えていると持ってきた人が
「箱の中を確認しような。ほら、忘れもんだよ」
「え……」
どうやら普通に入ってた武器が入って箱にあった物らしい……だけどそんな物あったっけ?と思っていると
「まあ、初見じゃわからないからな。だって二重底になっているんだから」
分かるか!薄い本を隠す場所みたいなノリで入ってたんかよ!初見殺しにも程があるわ!
とにかく、そのマガジンを手に持ちリグのマガジンポケットに入れていきベルトに付いていたハンドガン用のミニポケットにFNX45用のマガジンを挿入した。何も考えずにサラッとやってしまい周りから驚かれた。
「よく分かったな、その装備の使い方」
「装備系のスキルを既に持ってるんじゃない?」
「凄いやつが来たな…」
などいろいろな会話が飛び交った。俺、ここに来る前までやり込んでたゲームの影響で知ってただけなんだと……だって、装備もゲーム内で俺がよく使ってた装備と似てるんだもん…
「もうリグの使い方が分かるなら話は早いな。リグの説明は大丈夫そうだな。んじゃ次はそのヘッドセットについて話そうかと思ったけど多分知ってるんだろうな」
はい、知ってます。銃の射撃音などが大きく難聴になる危険があるから聴覚保護の為が大きい。けど、戦場において音は大事な情報であり聞こえにくい状況は不利になり普通のイヤーマフなどは大きい音などから耳を守ってくれるが小さな音を拾いづらくなってしまう。だが俺がつけてるやつは軍用でありヘッドセット両側面にある小型のマイクから音を拾ってくれる。そして銃の射撃音などの大きい音などが鳴り一定の値にいくと小型のマイクからの音を遮断し大きい音から耳を守ってくれる。ちなみにスポーツシューティングだけなら耳栓でも大丈夫。
知ってる事が伝わったのかユウさんが話し始めた。
「分かってそうだな。それじゃ"ガンスキル"について説明しよう。」
「"ガンスキル"?」
「"ガンスキル"とは銃関連のスキルみたいなもの。RPGゲームなどである技みたいなものだと思ってくれればいい。ガンスキルには2種類あってパッシブスキル型とアクティブスキル型に分けられて、それぞれ常時発動か好きなタイミングで使用可能なスキルって感じかな。」
MMOゲームやRPG系のゲームによくあるシステムだな…これなら理解が早そうだ
「んじゃスキルを入手しよう。まずは端末を出してくれ。」
俺は言われるがまま端末を出した
「次にそこを押して、そうするとスキルツリーが出る」
スキルツリー…ステータスやスキルの解放出来る順序が定められているゲームシステムのこと。MMOゲームなどでよく見られるシステムでスキル取ったら次はこのスキルが取れますよーみたいな感じだと思ってくれればいい。
獲得スキル欄に
【銃術レベル1(獲得可能)】が表示されて俺はそれをタップして端末から【取得しますか? Yes/NO】が出てきて俺はYesを押した。
そうすると【銃術レベル1】から4つに分岐してゆき、【狙撃の心得レベル1】【反動軽減レベル1】【銃整備レベル1】【幸運レベル1】が出てきた。
「【銃術レベル1】を入手したならある程度の操作はわかるはず。試しにあのターゲットに向けてライフルとハンドガン両方を撃ってみてくれ」
俺はすかさずSCAR-Hを持ち左側面にあるコッキングレバーを引いて銃に弾を装填し安全装置をかけ、FNX45も同様にスライドを引き弾を薬室に入れ安全装置を赤い丸が見えなくなるまで下げハンマーをデコッキングして撃てなくした。そうしてSCAR-Hに持ち直し安全装置を解除してフロントサイトとリアサイトを合わせてターゲットを狙い、人差し指をトリガーにかけ……
ダァン!ダァン!ダァン!と大きな音が3回鳴り響き、3発撃ち全てターゲットにヒットした。そのままセレクターをフルオートに切り替え、
ダダダダダダダダダダダダダダダダと先程より短い間隔で音が鳴り響いた。6発目まではターゲットに全弾当たったが7.62×51mmNATO弾の強烈な反動により7発目以降は当たっておらず天井に当たり天井から細かい石ぐすがポロポロと落ちた。
SCAR-Hを撃ちきったのでそのままFNX45を持ち安全装置を解除してとハンマーを下ろした。そして、サイトとターゲットに狙いを定めてトリガーを引いた。バァン!とSCAR-Hと少し違う射撃音が鳴り響き、そのままの勢いでマガジン内の弾を全て撃ち尽くした。.45ACP弾の反動も相まってか少し手が痺れたが4発以外全てターゲットにヒットした。
凄いな、これが"ガンスキル"か……
「うん、しっかりとスキルを取れてるようだな。」とユウさんが言ってきたのに対して
「初めて本物の銃を持ったのにかなりターゲットにヒットしてて驚いてます…」と素直に感想を述べた。
「レベルと書かれてるスキルについてはレベルアップさせて強化する事が可能だから計画的にやっていくのをオススメするぞ。」
スキルのレベルアップ要素もあるのか……本当に異世界に来た……というよりはゲームの世界に来たが凄く正しい様に感じる。
そんな事を考えながら俺がスキルツリーを見ていると…
【銃術レベル**】
一瞬、表示が変わり俺の見間違いがと思った瞬間
「今日はここまでにして続きは明日にしよう。とりあえず、君の部屋に案内するから銃を持ってついて来てくれ。」とユウさんが言ってきて驚いてしまった。返事をした後、急いで端末を確認すると【銃術レベル1】と表示されていた。どうやら見間違いだったらしい。だけど一瞬写ったあの表示に疑問を抱いていると
FN MINIMIを持ったユウさんが先に行ってしまっていた。俺も慌ててSCAR-HとP90を持ち跡を追いかけた。
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