第8話
(俺)
九条棗が死んだ。
そして白石さんと篠宮さん、日向さん、君波さんに日比谷さんが失踪した。
「あっれ、転校生よりやばいこと起きすぎだろ」
「ね、お陰で私のイメージ薄れちゃった。」
「ほんと…ってうわああああああ!?」
気づかないうちに転校生に接近されていた。
「どした、歩くん。」
「いやいや、どした、じゃなくて!!声くらい掛けてよ!!」
転校生、
(AI)
「いや、それだとつまらないし……」
「どういうこと!?」
(俺)
「ただ声かけるだけじゃ恋に発展しないじゃん?」
「発展しなくて良いんだよ!!」
(いやよくないけど!!)
俺は「モテ」が行動の理念であることを今更思い出した。
「ほらほら~、学校なんて行くの辞めて一緒にホテル行こ?」
「人間関係急接近しすぎだ!!」
(AI)
「いいじゃん、良くね?」
「良くない!俺まだ高校生だから!」
そんな問答をしているうちにチャイムが鳴る。
「ほら~授業始まるよ?早く行った方が良いんじゃない?」
(くっ……こいつめ……!!)
俺は苦虫を噛み潰したような顔をしながら教室に戻った。
その日の夜、5人が失踪したことを知らされた。
そして、俺は明日には異世界に連れて行かれるらしい。
(俺)
いや、失踪に関しては五人が一気に休んだ時点で何か会ったんだと察したけどさ、さすがに急展開すぎる。
異世界って何だ異世界って
(AI)
そんなのは絶対に嫌だ。死にたくないし痛い思いもしたくない……だから、俺は抵抗することにしたのだ。
――朝になった。
(よし、行くか!!)
そうして学校に行く前にコンビニに行こうとすると目の前に転校生が現れた。
(俺)
「ゴムでも買うの?」
(AI)
「何でだよ!?いや、朝食だけど。」
「じゃあそのついでにホテル行こ?」
「行かないよ!!」
(ほんとこいつなんなんだ……!!)
「そっか~……あ!なら私をホテルに連れ込んでそのまま美味しくいただくってのはどうかな?」
転校生はニヤニヤしながらこちらを見る。
「良いからもう帰れ!
(俺)
俺は忙しいんだよ!」
そうだ、俺はこのコンビニでやらなきゃいけないことがある。それは――
(AI)
(勇者召喚阻止!!)
俺の能力で勇者召喚はキャンセルできるはず……そのための布石はもう打ってある。
コンビニに入ると、店員に話し掛けられた。
「いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ!」
「あ、えーと……」
そうして俺は『モーニングセット』を選んだのだった。
3時間目。それは体育の授業だった。
俺は運動神経が良いわけではないので、練習メニューをこなすのに精一杯だった。
(ふぅ……やっと休憩か……)
俺が水分補給のために体育館裏に移動すると、そこには女の子がいた……
「ん……?」
その女の子は赤い瞳をこちらに向けていた。
「うわっ!」
(あれ……この子、どこかで……?)
しかし思い出せない。そこで俺は思い付いたことを言ってみる。
「君……もしかして宇宙人だったりする?」
「……」
(うっわ!これ絶対引かれたやつじゃん!!やっちまった~!!)
俺がそう嘆いていると、女の子が口を開いた。
「ふ……ふふ、あはははは!!」
女の子はお腹を抱えて笑っていた。
(笑った顔可愛いなこの子)
そんなことを思っていると女の子がこっちを向いて言った。
「あんたバカね!!宇宙人なんているわけないでしょ?」
「ですよね~!」
(うわあああああああ!!俺めっちゃ恥ずかしいやつじゃん!死にたい~!)
俺が悶えていると女の子はまた笑った。
「あはは!ふふ……はぁ~……」
(お、落ち着いたか?)
「まあでも私は宇宙人よ」
「……へ?」
俺の思考は停止した。
その後俺は
(俺)
4時間目どころか休み時間をまたいで5時間目の授業中まで放心状態だったらしい。
覚えてない。
「宇宙人…?」
(AI)
「そうよ」
どうやら俺は夢を見ているようだ。
「勇者召喚って知ってる?」
(なんだその異世界ファンタジーのような言葉は……)
「まあ、名前くらいなら……」
「天界でそれが行われて、私それに巻き込まれたの」
(よくわからんけどすごいなこの子!)
(ていうか胸デカイな……)
「天界での戦争とかに巻き込まれるし、大変だったのよ?まあ私は勝ったんだけど。」
(胸でかいな……)
「……さっきから胸見すぎじゃない?」
(ん……?)
気づくと目の前にはさっきの女の子がいた。どうやら俺の胸を触っているらしい。
「
(俺)
いや待て、俺に胸はないだろ!?」
というかいつから居たこの宇宙人!?
「現実を改変する能力――神の声ではなく、意志を受け継いだ者。神意者」
「は?」
「私達のことだよ。」
「はぁ!?」
神意者…?
何を訳のわからないことを言っているんだ?
「で、勇者召喚だよ。」
「……何の話だよ。」
「とぼけないでほしいなぁ」
瞬間。その子が俺に近づく。
そして耳元で囁いた。
「大丈夫だよ、私は『解ってる』からさ。」
「勇者召喚を止める方法を、知ってるってことか?」
「その通り。そのためにわざわざ天界に行ったんだから」
(AI)
「……わかった、教えてくれ。」
(どうして『解ってる』のかは知らないが、勇者召喚を止める方法を知ってるなら教えてもらおうじゃないか!)
「いいよ~?でも私のお願いを一つ聞いてほしいな?」
「なんだ、その願いって?」
「えっとね~」
その子は少しモジモジすると言った。
「私と、えっちしてくれません?」
「……は?」
こうして、俺は勇者召喚を阻止するために宇宙人とえっちすることになったのだった。
(いややらねえわ!!)
「じゃあホテル行こっか!」
「行かないよ!!」
そんなやり取りをした直後のことだった。外から爆発音がした。外を見ると、学校が燃えていた。
「なっ……」
「来たわね」
(俺)
「来たって何がだ!?」
混乱する俺にその子は――
「神様、だよ。」
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