第5話 クエストクリア
剣を握り直し、構える。俺が深呼吸をすると同時にゴブリンキングが突っ込んでくる。
踏み込みと共に剣を振り抜きゴブリンキングの腹を割く。そして追撃をしようとしたとき、横腹に衝撃が走り俺の体が吹っ飛ぶ。
「グッ!ああ!?」
重!何とか魔力でのガードが間に合ってダメージはないけど・・・
体勢を立て直しゴブリンキングの方を見るとそこには吹き飛ばされるユーリが見えた。
咄嗟に俺は足元に転がっていた石を魔力を込めて思いっきりぶん投げる。石は風を切りながらゴブリンキングの後頭部に直撃した。
「ガァァァァ!!」
激昂し俺に向かって突っ込んでくる。その隙にユーリが回復魔法で自分を治す。
激昂しているおかげで動きが単調になってる。顔に向かって靴を飛ばし視界を奪いその隙に首に刃を立て振り切る。
「ハァハァ・・・勝った!!」
飛ばした靴が上手いこと顔面にヒットしてくれて助かった。ぶっちゃけ賭けだった。
「よくやったわね。」
「随分ケロッとしてるな。」
「回復魔法使えばあのくらいなら平気よ。」
あとは残党狩りだな。
「なんだ、親玉やられたってのに逃げねぇのか。」
「私が結界張ったのよ。あと20秒しか持たないけど少しは狩れるでしょ。」
張られた結界の範囲は10m取り逃がすのは勿体ないな。
魔力を大きく消費するけど広範囲に一気に風魔法を巡らせて吸い込む。
吸引力のおかげで軽いゴブリンどもはバランスを崩し目の前に積みあがる。
「あんた中々いいこと考えるわね。」
「これで結界内のは全部だろ。」
そこからは逃げれないように定期的に魔法で麻痺させて狩っていった。
「こんだけ狩ればレベル結構行くだろ。」
ステータスを表示して確認する。お、15も上がってる。元々1だったし妥当っちゃ妥当だけど。
「やった!20になってる!!」
え?
「アンタはどうなの?」
「15上がって16になってる。」
てかこの前の馬車の護衛じゃ上がらなかったのね。
「あんたレベル1って今までどうやって生きてきたの?」
仕方ないじゃん向こうにレベルなんてなかったんだし。
「あ、それより見なさい。なんか落としてるわ。」
ドロップアイテムか。これは・・・
「短剣か?」
なんか変な感じするんだけど。
「魔法剣ね。多分。町に戻ったら鑑定士に見てもらいましょう。」
「そうだね。ついでに協会にクレームだな。」
「そうね。」
「何はともあれ・・・ん!」
片手をあげユーリに向き直る。
「?」
「ハイタッチ!」
「ああ、そういう。」
2人でハイタッチをする。そして2人で笑い合う。
「さて、帰るか!」
「そうね!早く帰って換金して、おいしいご飯でも食べましょ。」
「いいね。」
今日は色々あったな。なんだかんだで異世界を満喫してる気はする。
まあ、これはこれでいいか。この世界から変える方法は知らないしないかもしれない。ならやれることやって楽しんでいこう。
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