第2話 冒険者なのに武器がねぇ!

 馬車の旅を終え、新しい街についた。さっきの親切なおじさん・・・ディーンさんがおススメしてくれた鍛冶屋に向かう。

「何をご所望で?」

店主らしき人が声をかけてくる。

「武器と装備を一式ください。」

「どんなのが欲しい、好みに合わせて見繕ってやるよ。」

・・・ソロで戦う力が要るから前衛でゴリゴリ殴れる装備が欲しいな。

「前衛向けの装備ありますか?」

「ふーん、防具はこれとこれだ。剣はこれかな。」

と言って一式を渡された。防具はこれでいいな。重くもなく軽すぎない。

「この柄がもう少し分厚めで重い剣ないですか?」

「兄ちゃん手見せてみな。」

言われるままに手を出す。すると店主が手をまじまじと見て腕を触ってきた。

「ふむふむ・・・これ使ってみろ。」

そういって渡された片手剣を持ってみるとしっくりと馴染む。軽く振ってみるけど力が伝わりやすい。

「お、良いじゃねぇか。それ昔設計ミスって重く太く作りすぎたんだ。研いでやるから待ってな。」

そういって奥に引っ込んでいった。

「待たせたな、ほら。」

「おお、ピッカピカだ。」

「それはただでやるよ。」

「良いんですか?」

「ああ。片手剣にしては重すぎて買い手もつかねぇし在庫処分だ。触ってみた感じ筋肉が人より多いからな、その剣でも難なく振れるだろ。」

さっき触っただけでよくわかったな。俺はミオスタチン関連筋肉肥大っていう先天症で筋力が常人の3倍ほどある。

「じゃあ防具の代金置いておきますね。」

「おう、毎度ありー。」

鍛冶屋を出て、服屋に行きおじさんにパーカーを売ってきた。パーカーのほかにも下に来てたシャツをよこせと言われたけどこのシャツ気に入ってるから断った。結構な金額をもらえたからこれで消耗品や小道具を買うか。鞄は30L入るでかい鞄があるからいいや。教科書とか入ってるけどそれはギルドの保管庫借りよう。と決まれば冒険者ギルドに行くか。

「ようこそ、冒険者ギルドへ。ハルト様ですね。こちらにどうぞ。」

椅子を用意され、促されるままに座る。

長々と説明をされたがまとめると、【馬車の護衛でオークとゴブリン倒したから昇格】ってことらしい。

ここの昇格のシステムではFランクからEランクまでは上級冒険者指導の下の単独でのモンスター撃破することらしい。

「てことは今日からDランクの依頼を受けられるってことですか?」

「ええ、もちろんです。ですがDランクから少し勝手が変わってきますので臨時でもパーティを組むことをお勧めします。」

取り敢えず依頼見てこよう。

お、ゴブリン討伐か・・・ありだな。

依頼の紙に手を付けると同じ依頼を手に取ろうとしたであろう奴と手が当たった。

「横取りやめてくれない?」

「あ?」

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