第3話 みいことよだか

みいこの部屋は、彼女の心地よい避難所のようなものだった。柔らかな照明が本棚を照らし、壁にかけられたお気に入りのアニメキャラが部屋彩っていた。

彼女はふわふわのクッションにもたれながら、図書館から借りてきた宮沢賢治の選集を読んでいた。

次の話は「よだかの星」、醜いとされるよだかが、自分の姿に苦悩しながらも、最終的には自らの命と引き換えに美しい星となる決心をする様子が描かれていた。みいこは読み進めるうちに、よだかが経験する苦悩と孤独が、なぜかみいこ自身の感情を映し出しているようで、彼女はその物語に引き込まれていった。


好奇心を刺激されたミコは、ノートパソコンを開いて、よだかについて検索を始めた。彼女の指がキーボードを軽やかに叩くと、画面には「ヨタカ」という鳥の情報が溢れてきた。ヨタカの写真を見た瞬間、みいこの目は輝いた。

「なに、この鳥かわいい。醜いといわれていたのなぁぜなぁぜ?」

彼女は画面を眺めて、ヨタカに不思議な魅力を感じていた。


その時、みいこのパソコンに新しい通知が届いた。それは、「デジタルネイチャー・サミット」というメタバースで行われるイベントからの招待状だった。みいこはその招待状を見つめ、眉をひそめた。

「デジタルネイチャーってなんぞ?」

彼女はこの言葉に少し戸惑いを感じながらも、なんとなく興味を惹かれて参加を決めた。もしかしたらミコの宣伝にもなるかもしれないしね。

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