第38話 双子だったの!? 後編
放課後。
下校する生徒たちで賑わう昇降口にて、オレはちょっとした絶望感を覚えていた。
すべての授業が終了し、帰ろうとしたそのタイミングで突然雨が降り出したからだ。
しかも小雨などではなく、かなり本格的な雨だった。
「うわ……マジかよ……」
外に飛び出せば確実にずぶ濡れになってしまうほど強い雨を見てオレは顔を顰める。
確かに今日は朝から曇ってはいたが、天気予報では夜まで雨は降らないと言っていた。
だから当然傘など持っていない。
それなのに下校するタイミングで降り出すなんて、何だか騙された気分だ。こんなことになるなら、折りたたみ傘くらいカバンに入れておくべきだった。
しかし、どれだけ嘆いても傘がない事実は変わらない。
学校近くのコンビニで傘を買おうにも、そこに着く頃には間違いなく全身びしょ濡れになっている。
つまりオレは今、雨が止むまで学校で待機するか、びしょ濡れになるのを覚悟で帰宅するかの二択を迫られているのだ。
「……ちょっとだけ待ってみるか」
ただの通り雨なら、少し待っていれば降り止むかもしれない。
そう考えたオレは、スマホでも見ながらしばらく校舎で待機することにした。
……が、どれだけ待っていてもしとしとと振り続ける雨は一向に止む気配がない。
それどころか、先ほどよりも激しくなっているような気さえした。
「これ……今日中には止まないかもな……」
スマホをカバンにしまい、改めて雨の屋外に視線を向ける。
振り始めてからまだそこまで時間は経っていないはずなのに、すでに地面のあちこちに水たまりができていた。
「仕方ないか……」
その場で軽く屈伸をする。これ以上待っていても止みそうになかったので、あまり気が進まないが走って帰ることにしたのだ。
もうすでにほとんどの生徒が下校しているため、誰かの傘に入れてもらうことはできない。
当然だが高校生のオレにタクシーを使う金もない。
だから、ずぶ濡れになるのを覚悟で雨の中を走って帰るしか選択肢は残っていなかった。
「……よし」
軽い準備運動が終わり、覚悟を決めて外に飛び出す。
その瞬間、冷たい雨が全身を叩きつけてきたが、オレは気にせずに校門を出て自宅へ向かって駆け出した。
想像以上に強い雨だ。しかも横殴りのため、雨が顔に当たってまともに目を開けることさえできない。薄目を開けるのが精一杯の状態だった。
そんな視界不良の状況に悩まされながらも、オレは前進し続けた。
腕で顔をガードすれば、多少は雨から両目を守ることができる。
そうやって何とか前方の様子を確認しながら、歩き慣れた自宅への道を必死に走り続けるのだった。
そうして雨に悪戦苦闘しながら進むこと約十分。
オレは、通学路の途中にある路地裏の入口にたどり着いた。
「路地裏か……確かここを通り抜ければ若干近道にはなるんだよな……」
この路地裏を通れば近道にはなるのだが、狭くて歩きにくいため、普段は滅多に使わない。
登校や下校の時は、多少遠回りになってでも歩きやすい道を選んでいた。
だが、今は一刻も早く帰宅したい心情だ。
すでに頭のてっぺんから足の指先までびしょ濡れ状態だが、それでも早く帰れる道を選ぶべきだろう。
そう考えて、オレは普段滅多に通らない路地裏の道を通って帰宅することにした。
「くそ……狭いな……」
建物に挟まれた細く狭い通路は、人が一人通るのがやっとのスペースしかなく、障害物も多いため本当に歩きにくい。
だが、この道を通り抜ければほんの数分くらいだろうが帰宅にかかる時間を短縮できる。
そして自宅までたどり着けば、この冷たく強い雨からも解放されるのだ。
だから、オレは頑張って前進した。
路地裏なので、先ほどまでのように横殴りの雨に襲われることはない。腕で顔をガードする必要もなくなったので、その点だけはありがたかった。
「もう少し……もう少しだ……」
自身を励ましながら障害物を避けつつ進み、やがて路地裏を通り抜けることに成功する。
再び横殴りの雨に襲われるが、ここまで来れば自宅はすぐそこだ。
「……よし! 家に帰ればゆっくりできるぞ!」
オレは残った力を振り絞って自宅への道を駆け出した。
……が、なんとその瞬間、オレは石に躓いて転んでしまう。もう少しで帰れると思ったことで気が緩んでいたのかもしれない。
とにかくオレは、雨で水たまりのできた道路に腹から転倒してしまったのだった。
ばしゃんと大きな音を立てて上がる水しぶき。
制服が水たまりの水分を吸って重くなる様子が伝わってくる。
転倒したことで腹まで濡れてしまったのだ。
(うわ……最悪だ……)
すでに全身びしょ濡れだったので今さら腹が濡れたところでそこまで変わらないのだが、それでも最悪な気分になってしまう。
突然の雨といい、水たまりへの転倒といい、今日は水難の相でも出ているのだろうか……。
そんなことを考えながら立ち上がろうとしたその時、
「あの……大丈夫? 近野くん」
前方からオレの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
反射的に顔を上げ、前方に視線を向ける。
そこにはクラスメイトの笹岡真穂が立っており、転倒したオレのことを心配そうに覗き込んでいた。
「さ、笹岡!?」
予想外の人物に出くわし、驚いて飛び起きる。
いつまでも地面にうつ伏せ状態で倒れていたら、心配させてしまうと思ったからだ。
「な、何で笹岡がここに!?」
突然の邂逅に戸惑いながらも、つたない口調で何とかここにいる理由を訊ねる。
「私はスーパーに寄った帰りだよ。……ほら!」
笹岡は手に持っていたスーパーの袋を見せながら、そう答えた。
確かに今の笹岡は、高校の制服姿で片手にスーパーの袋を持ち、もう片方の手には折りたたみ傘を持っている。
本人が言った通り、学校が終わった後スーパーに寄ったのだろう。
だが、オレが知りたいのはそんなことではなかった。
なぜ笹岡がオレの家の近くにいるのかを疑問に思っているのだ。
だから、もう一度同じ質問をすることにした。
「い、いやそうじゃなくて……何でこんなところに笹岡がいるのかなって……」
それを聞いた笹岡がきょとんとした表情になる。
「何でって……ここ、私の家の前だから……」
「……ええっ!?」
衝撃の事実に思わず目の前の家の表札に視線を向けた。
「本当だ……」
表札には確かに『笹岡』と書かれている。
どうやら本当に彼女の自宅のようだ。
(まさか笹岡の家がオレの家の近所だったとは……)
小学生の頃から同じ学校に通っていたのに全然気づかなかった。
接点がまったくなかったせいだろう。
もし家が近所だと知っていたら、登下校の時間を合わせるなどして仲良くなれたかもしれない。
つまりオレは、意図せず笹岡と幼馴染みになる機会を逃してしまったのだ。
(うわ〜くっそ……何で今まで知らなかったんだ……)
自宅の場所を知ったことで、激しい後悔に襲われる。
子どもの頃、もっと笹岡のことを知ろうとしていればよかったという念が押し寄せてきたのだ。
本気で過去の自分を殴りたくなった。
そんなふうにオレが激しく後悔する一方で、笹岡はずぶ濡れのオレのことを本気で心配してくれているらしく、とんでもない提案をしてくるのだった。
「近野くん……ずぶ濡れだけど大丈夫? ……そうだ! ウチのお風呂で温まっていきなよ」
「……え?」
聞き間違いだろうか。風呂で温まっていけと言われたような気がする。
「え〜と……」
「じゃ、決まりね! ほら……上がって、上がって!」
どうやら聞き間違いではなかったようだ。
屈託のない笑顔で大して接点のない男子を自宅に招き入れようとしてくる。
「いやいや……さすがに風呂を借りるのはまずいって……」
さすがにその提案は了承できなかった。
女子の家に上がり込んで風呂を借りることに対してとてつもない抵抗感があるからだ。
しかし、そんな童貞の心理的抵抗など笹岡は理解してくれない。
「ダメだよ。その状態じゃ風邪ひいちゃう……だからウチのお風呂使って!」
彼女はオレの家が近所にあることを知らないから、執拗に風呂に入っていくことを勧めてくるのだろう。
「いやでも……オレの家、すぐそこだし……」
だから近所に住んでいることを伝えようとしたのだが、彼女はもうオレの話など聞いてはいなかった。
「今、家のドア開けるからね」
そう言って、ポケットから鍵を取り出してドアの鍵穴に差し込む。
「はい、開いたよ。さぁ、入って!」
そして家の中に入るよう促してきた。
「え……いや、だから……」
「はら、早く!」
ためらうオレの腕を掴み、強引に家の中に連れ込む笹岡。
その手を振りほどくわけにもいかず、オレはなすすべもなく連れ込まれてしまうのだった。
「お、お邪魔します……」
こうなったら仕方がない。今さら自宅が近所にあるとは言い出せないし、素直に彼女の厚意を受け取るしかないだろう。
(ここが笹岡の家の玄関か……やべぇ……なんか緊張してきた)
笹岡と会話するだけでも一杯一杯だったのだから、この状況で平然としていられるわけがない。
オレはかつてないほどの緊張感を覚えていた。
だが、笹岡はそんなオレの心情などまったく気づいていない様子だった。
根本的に男心に疎いのだろう。そのせいで、自身の行動がどれだけ童貞をドギマギさせるか想像できないのかもしれない。
美少女なのだから、もう少し男心について勉強してほしいものだ。
「……ねぇ、近野くん。大丈夫? 寒くない?」
「あ、ああ……大丈夫だ」
純粋にオレの体を気遣う笹岡が愛しくて、つい抱きしめたくなってしまう。
もちろんそんなことをする度胸はないが、女慣れしている男なら欲望のままに抱きしめていたかもしれない。
まったく……オレが女慣れしていない童貞じゃなかったら本当にどうなっていたかわからないぞ……。
「よかった……じゃあ、お風呂はそこだからシャワー浴びててね。私はタオルを持ってくるから」
「あ、うん……」
「それと着替えなんだけど……」
「それならジャージがあるから平気だ」
高校指定のカバンの中には体育の授業で使うジャージが入っている。
だから、着替えについては心配しなくて大丈夫なのだ。
「それなら用意するのはタオルだけでいいね。それじゃ、ごゆっくり」
そう言って笹岡は、二階への階段を上がっていった。
残されたオレは、恐れ多くて家に上がることができず、玄関で立ち尽くしてしまう。
(ちょっと無防備過ぎるだろ、笹岡のヤツ……オレじゃなかったら確実に勘違いしてるぞ)
他の童貞に対して同じことをしようものなら、「あれ? もしかして笹岡ってオレに気がある?」とか勘違いしてしまう可能性が高いだろう。
いや、童貞じゃなかったとしても「誘ってるんじゃね?」とか都合の良い思い込みをするかもしれない。
もちろんオレは、笹岡が誰に対しても優しいことを知っているので勘違いしたりはしないが、少しだけ彼女の将来が心配になってしまった。
余計なお世話かもしれないが、悪い男に騙されたりひどい目に遭わされないことを願うばかりだ。
「……それにしても、さすがに冷えてきたな」
雨や風の届かない屋内に避難したためか、急に濡れた体が冷えてくるのを感じた。
そこまで寒いわけではないが、このままだと笹岡が心配した通り風邪をひいてしまうかもしれない。
(ここまでしてもらって風邪ひいたら笹岡に申し訳ないな……)
家に入れてくれて、シャワーを使ってよいと言ってくれた笹岡のためにも体調を崩すわけにはいかないだろう。そうなったら彼女の優しさが無駄になってしまうからだ。
だからオレは、意を決してシャワーを借りることにした。
「え〜と……確か風呂場はあそこだって言ってたな……」
靴を脱ぎ、とてつもない緊張感に心臓が高鳴るのを感じながら家に上がり込む。
それから先ほど教えてもらった風呂場に向かって歩き出した。
玄関のすぐそばなので、目的の場所へはすぐにたどり着く。
(よ、よし……開けるぞ)
そして一呼吸おいてから風呂場の引き戸に触れ、そのまま一気に横にスライドしてドアを開けたのだった。
「……え?」
その瞬間、とんでもない光景が視界に飛び込んできた。
なんと、可愛らしい全裸の少女が脱衣所で着替えをしていたのだ。
少女はちょうどパンツに足を通すところだったらしく、こちらに体を向け、両手で純白のパンツを持った状態で片足を上げていた。
つまり、おっぱいもアソコも丸見えの状態。
とてもキレイな身体だ。美しい肌には染みひとつ見当たらず、全体的に引き締まっており、くびれはまさに芸術的と呼べるほどだった。
それほどまでに魅力的な身体を持っている彼女だが、おっぱいは特に素晴らしいと感じた。非常に豊かで張りがあって形もよい。おそらく触ったら天にも昇るような柔らかさなのだろう。そんなおっぱいに、ついつい視線が引き寄せられてしまうのだった。
一方の少女はというと、何が起きたか理解できていない様子で、ぽかんとしている。
そんな少女と目が合った瞬間、オレは腰を抜かしそうになった。
魅力的な全裸に見惚れていたせいですぐには気づかなかったが、目の前にいる少女の正体は、先ほど二階へ上がっていったはずの笹岡真穂だったからだ。
「え……笹岡? な、何で
なぜここに笹岡がいるのかわからず、混乱してしまう。
彼女が二階へ上がっていくところは、先ほどはっきりと確認した。
まさか二階からテレポートでもしたのだろうか……。
混乱するあまりテレポートを疑ってしまうオレだったが、彼女はオレ以上に困惑しているようだった。
彼女の顔がみるみる赤くなってゆく。
そして胸とアソコを両手で隠すと、
「きゃあああああ!!!」
近所迷惑になるレベルの悲鳴を上げるのだった。
「お、落ち着けって! 大丈夫だ! ほんの少ししか見てないから……」
羞恥に顔を染めて悲鳴を上げる笹岡を、何とか宥めようと試みる。
しかし、まったく効果はなかった。
「あ、あなた誰!? まさか泥棒!? 泥棒ですか!?」
ついにはオレを泥棒呼ばわりする始末だ。
「ちょっと待ってくれよ! 取り乱す気持ちはわかるけど、泥棒呼ばわりは心外だぞ!」
「他人の家に無断で侵入しておいて何言ってんですか!?」
「いやいや、そっちこそ何言ってんだ!?」
家に入れてくれて、シャワーを浴びるように言ったのは笹岡だろう。
それなのに、『無断で侵入した』なんて人聞きが悪過ぎる。
裸を見てしまったことは申し訳ないが、それでも犯罪者のように言われるのは我慢ならなかった。
……と、その時。
今の騒ぎを聞きつけたのか、上の階から誰かが降りてきた。
「何だか騒がしいけど、何かあったの? 近野くん……」
「……ん? あれ、笹岡がもう一人!?」
その人物を見て、オレは驚愕してしまう。
二階から降りてきたのは、紛れもなくクラスメイトの笹岡真穂だったからだ。
そして、脱衣所で着替えようとしていた少女も笹岡真穂。
つまり、オレの前に笹岡真穂が二人いる状態。
(まさか……ドッペルゲンガーか……?)
混乱のあまり、テレポートに続いてドッペルゲンガーを疑ってしまう。
そんなオレをよそに、二階から降りてきた笹岡が、落ち着いた様子で脱衣所にいる少女に話しかけ。
「……
その質問に、少女が答える。
「今日は雨だから中止になったの。それよりもしかして、そこにいる男子はお姉ちゃんの知り合い?」
「うん。クラスメイトの近野達哉くんだよ。雨でびしょ濡れになってたから、シャワーを浴びてもらおうと思ってウチに来てもらったの」
「泥棒じゃなかったんだ……ていうかお姉ちゃん、相変わらずお人好し過ぎ……」
実穂と呼ばれた少女は、納得したのかようやく落ち着いたようだった。
だが、オレはまだイマイチ状況がわからないままだったので、笹岡に説明を求めた。
「あの、笹岡……二人は一体どういう……」
「あ、この子は
「双子!?」
衝撃の事実に思わず大声を上げてしまう。
「笹岡って双子だったの!?」
俄には信じられなかったので、もう一度確認してみた。
「そうだよ。私、双子なんだ。……まぁ、実穂は別の高校に通っているんだけどね」
「そうだったのか……」
どうやら本当に双子のようだ。
なぜ今まで知らなかったのだろう。同じ小学校や中学校に通っていたはずなのだから、知るタイミングくらいあったはずなのだが……。
いや、よく考えたら二人が一緒にいるところを見たことはないので仕方ないのかもしれない。
本当にそっくりなので、おそらく彼女たちは一卵性双生児だ。仮に小学生や中学生時代に廊下などですれ違ったとしても、まず見分けなんてつかないだろう。
だから双子だということを知らなくても無理はないのだ。
笹岡の自宅が意外にも近所にあったことといい、好きな女の子のことなのに何も知らなかったんだなとオレは思った。
「あの……」
そんなことを考えていると、妹の方がオレに話しかけてくる。
「……ん? どうした?」
「いつまで見てるつもりですか!?」
「あ……」
すっかり忘れていたが、妹の方は脱衣所ですっぽんぽんの状態だ。
さすがにこれ以上彼女の裸を見続けるわけにはいかないだろう。
「わ、悪い……」
くるりと回れ右をして、彼女に背中を向ける。
すると妹は、今度は自分の姉に文句を言うのだった。
「お姉ちゃんも男子を家に上げるなら連絡してよ! おかげであたし、男の子に裸見られちゃったんだからね!?」
「ごめんね。近野くんと会ったのは家の前だったし、それに実穂が帰ってるなんて思わなかったから……」
「次からは気をつけてよ!! 本当に恥ずかしかったんだから!!」
そう言いながら、妹は脱衣所の扉を乱暴に閉めるのだった。
その後、笹岡がオレに話しかけてくる。
「……近野くんもごめんね。妹が着替えるまで待ってもらってもいいかな?」
「もちろんそのつもりだけど……」
「よかった……あ! このタオル、今のうちに渡しておくね」
「あ……うん、ありがとう……」
笹岡からタオルを受け取る。
そのタオルはとてもふわふわで、柔軟剤の良い香りがした。
(それにしても笹岡の妹の裸、よかったな……)
妹の着替えが終わるのを待ちながら、ふと、そんなことを考える。
思いがけないハプニングだったが、彼女の裸を拝めたことは眼福だったと言えるだろう。
何しろ笹岡真穂の双子の妹だ。顔は姉にそっくりだし、身長や体格などもほとんど変わらない。おそらく胸の大きさもほぼ同じだろう。
つまり、オレは実質クラスメイトの笹岡真穂の全裸を見たと言えるのだ。
好きな女の子の全裸なんて嬉しいに決まっている。今日の出来事は一生の思い出として記憶に残り続けるに違いない。そう思うほどにラッキーな出来事だった。
(……でも、できれば笹岡の裸も見たかったなぁ……)
ラッキーだったことはもちろん認める。認めるのだが……それでもオレが好きなのは姉の方なので、どうしても『姉の裸も見たかったな』などと贅沢なことを考えてしまうのだった。
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