拝見 生きるのが辛く悲しい君へ、紅く染まった花束を添えて
楠木麗亜
第1話 拝見 生きるのが辛く悲しい君へ
最近親友が死んだ、飛び降り自殺だった。
死ぬ直前まで電話越しに話していた親友が『今までありがとう、お前は長生きしろよ』と最後の言葉を残して
飛び降りた、最後の方には骨が砕けた音まで入っていた。
親友は死ぬ前にX(旧Twitter)で『死んできます』と投稿していた。
そのリプ欄には、「今は大変だけどもう少し生きたらきっと変わるから」や「貴方の生きている明日は誰かの生きたかった明日だから、、、」とか「今は暗いけど未来は明るい」など、綺麗事が並べられていた。
綺麗事を言える人は辛い経験をしたことがないんだろう,辛い経験をした人もいるかもしれないけど僕の心には響かなかった。
”死”という恐怖より”明日”が来る恐怖の方が大きくなった時人は自殺する。
親友はリスカ(リストカット)をよくやっていたらしいと、死んだあとに分かった。
『自傷行為を行うほどつらかったのにそれを気付く事ができなかった僕は親友失格だな』
棺の前で親友に話しかけるようにする呟く。
僕は親友に何もしてあげれなかったと、己の無力さに気付かされる。
『暫く立ち直れそうにないや。』
そんな言葉が口から出てくる、溢れ出す感情に歯止めが効かなくなる。
『なんで何も話してくれなかったんだよ、ふざけんなよ、置いてけぼりにすんなよ。』
思い出の結晶が自然と溢れ出して、止まらなくなった。
火葬場で最後のお別れをしたあと少し一人になりたくて、親友とよく行った海に行った
昔の写真を見返していると、その思い出が昨日の出来事のように鮮明に出てくる。
その後、何度も最後の言葉と骨が砕ける音が繰り返し流れる。
”親友を自殺するほど追い詰めたのは何だったんだろう”
親友は遺書も何も残さず死んだ、何が誰が親友を苦しめて自殺まで追い詰めたのかわからない。
それがもし人だったら、”同じ目に合わせてやる”。
それが、犯罪で自分が捕まるとしてもこの思いは消えないだろう。
拝見 生きるのが辛く悲しい君へ、紅く染まった花束を添えて 楠木麗亜 @kusunokireia626
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