第13話河童
今日も良平とクロコは、隠れて生活していた。
「ほんと、クロコはそこが好きだな」
クロコはベットの下に潜っていた。
「ティウン」
「どうしたんだ?」
良平がクロコに聞いた時、梓が部屋にいつも通りドカドカと入って来る。
「最近、討伐任務以外部屋に籠りっぱなしやん。どないしたん?」
「どうしたというか、いたらいけないか?自分の部屋の方が落ち着くんだよ」
「そうなんや。ならええけど。さっきからベットの下気にし過ぎちゃう?」
梓は良平が、ベットの下を見ている事に気づき声をかけた。
「ちょっとな、何でもないよ」と良平が焦る。
「いいから見せてみ」と梓は良平を振り払ってベットの似たを見に行く。
(終わった)
良平はこれでもう反逆者になって殺されると思った。
「なにもないやん。おもんな。てっきり変な本隠してるのかなって思ったわ」
梓がそう言うと、良平おどおどしながら言う。
「え、ああ・・・何もないだだろ」
良平はほっとする。
「あ、そうそう。そんなしょうもないこと言いに来たんじゃないねん。またクリーチャーの討伐が明日あるみたいやわ。今度の相手は河童みたいやな」
ベットの下を見ていた梓は立ち上がって良平に言った。
「河童か。ってことは川かな?」
「多分そうやとだともう。私、伝えたからな」
梓はそれだけ言って自分の部屋に戻って行く。
梓が部屋に帰った後、良平はクロコを探す。
「クロコ、どこだ」
良平が声をかけると、クロコはベットの隣にあったゴミ箱を漁っているところだった。
「きたないからやめなさい」
「ティウン」
良平はクロコを怒ると、クロコは良平が怒ってる理由をまだ理解できなかった。
良平が、ゴミ箱からクロコを抱き上げて、ゴミを漁って汚くなった体を温かいタオルで吹いて言い聞かせる。
「もうするなよ」と良平が言い聞かせたが、暖かいタオルが気にいったのかわからないが、クロコはゴミ箱の中に入る様になる。
良平はその度に注意するのだった。
◆
そして、良平は河童の討伐に向かう前、クロコにいつも言っている事を言い聞かせる。
「鳴き声といたずら禁止。あと隠れている事」
良平が言い聞かせた後、クロコは鳴き声を出して返事をする。
「ティウン」
「約束だぞ」
良平がクロコと約束をすると、クロコは慣れたように洋服ダンスに隠れる。
◆
「遅くなって悪かった。」と良平が支部の近くにあるエレベーターの前で梓と武蔵に言うと、梓が良平に注意する。
「最近ほんまに良平は集合場所に来るの遅いで。もっと早く準備できるようにならなあかんで」
「ごめん。ごめん」
「梓、そのくらいにしてやれよ。こいつもこいつなりに頑張ってるんだよ。な」と武蔵が言うと、良平は、
「すいません。」
「隊長は甘いわ。私ならもう少しきつくするで」と梓は武蔵に注意をする。
「まあ集まったし、そろそろ行くぞ」と武蔵が仕切ってエレベーターに乗って、地上に出る。
地上に出て、車に乗って深い川に向かう。
川に着くと、さっそく河童を探していた。
「どこにもおらんなぁ~」
「諦め早すぎ。五分も経ってないぞ」と良平。
「でも、こういう作業が一番しんどくない?早くクリーチャー倒して、美味しいご飯食べたいわ」と梓が言うと、それに武蔵は同意した。
「なら早く探して倒さないとな」と武蔵。
そして、探し始めてから1時間が経つ。
「まだかいな」と梓が言うと、武蔵は、
「さすがにこれはしんどいなぁ。一応これ食べとけ」
武蔵は良平と梓にお茶とパンを渡す。
良平と梓はお礼を言うと、いきなり河童が川の奥から姿を見せて現れる。
「いきなり来たな。食べる時間位よこせよ」と良平。
「私もそう思う」と梓も同意する。
「仕方ない。倒すぞ」と武蔵が言うと、河童はパンだけ奪って川に逃げようとする。
そこに武蔵が対クリーチャー用閃光玉を投げる。
河童は、海に潜る前に動きが止まり、そこを梓が狙う。
梓は、動けなくなった河童に容赦なく近距離で双剣を使って連続攻撃を繰り出す。
「うぎゃあああ」と河童は叫びながら白い血を口から吐き出すと、今度は大剣で攻撃しようとした時だった。
閃光玉の効果が切れて大剣の攻撃は俊敏な動きでかわされる。
「動きが早い」
良平がそう思っているうちに川にまた潜られる。
「俺潜って追いかけます」
「ちょっと待て」
良平は武蔵の許可なく川に潜る。
川の中は人間には苦しい。
それでも良平は、河童を追いかけていく。
すると、河童は川が得意と自覚しているのもあり、傷を負いながらも先制攻撃を仕掛けて逃げようとする。
良平は意識がもうろうとしそうな中、必死に大剣で攻撃するが、川の中というのもあり、動きが鈍くなって河童に良平は攻撃されてしまう。
「うがあああ」
良平は河童にパンチされ、そのまま川の中で溺れる。
意識を失い、川の底に良平は落ちていく所に武蔵がやってくる。
「大丈夫か?意識を取り戻せ!」
「・・・・・・・」
勿論良平の意識はない。
戦闘用のダイバ―スーツを着た武蔵が、良平を助ける。
それを見ていた河童が面白くなかったのか、反撃してくるが、武蔵が槍を投げて、良平を担いで逃げる。
槍は河童の腕に当たる。
川を脱出しようとするが、河童は槍を痛いのを我慢して、腕から抜き取って投げ返してくる。
槍は神器だったが、クリーチャーは無条件で触れるので、取られるとかなり厄介だ。
だが、こうするしか逃げ道はないと、武蔵は思った。
武蔵は槍をうまくかわしたが、地上まで飛んでいく。
地上まで飛んでいく槍を見て、河童はイライラする。
「うぎゃぎゃ。」
「あいつイライラしてる。今の内だ」
武蔵はそう思いすぐさま逃げる。
地上に出た武蔵は、良平を砂地の端において少し下を向いて立ったまま休憩するが、そんな暇を河童は与えてくれない。
「うぎゃぎゃ」
河童は、腕を負傷しているが、怪我した様子を見せる感じはない。
「こいつバケモンやん」と梓が言うと、冷静に武蔵がつっこむ。
「クリーチャーは化け物だ。容赦するな」
「わかりました。」
梓は返事をして素早くダッシュして、河童に立ち向かう。
川の近くの浜辺は砂っぽくダッシュしずらい。
「ここ走りにくいわ」と梓。
「うぎゃぎゃ」と河童は鳴き声を出して、砂地と感じさせないくらいの速さで走って梓の目の前に現れて右手のパンチを繰り出す。
「うぁああああ」
そして、更に左手からパンチをくりだした。
梓は吹っ飛ばされ、意識をなくす。
「梓、しっかりしろ」と武蔵が梓の心配をした時。
「う、う、う、う、う」
口から水を吐いた良平が目を覚ます。
「戦えるか?」と武蔵が言うと、良平はそのまま戦闘態勢に入る。
「うぎゃぎゃ」と鳴きながら、パンチを弱っている良平に繰り出そうとして来た所を、大剣でガードした。ガードしている最中良平は提案する。
「竜撃砲を使いましょう。俺が大剣のガードで耐えている時に、攻撃してください。一か八かですが、これしかありません。」
「その手があったか」
良平が大剣のガードで耐え、武蔵は竜撃砲の準備を始める。
「まだですか?」
「ちょっと待ってくれ」
二人が戦っていると梓が目覚めるが、梓はどうしていいか分からなかった。
「できたぞ!」
「じゃあ始めて下さい」
そして、竜撃砲を正面から打ち、タイミングよく上に良平はジャンプして、竜撃砲をかわし、河童に当たり、河童は死んだ。そして捕食をする。
「終わったな」と武蔵は、煙草を吸いながら言う。
武蔵が、タバコを吸い終わり、三人は車で殲滅支部まで戻るのだった。
俺は崩壊した世界で未来にあがく~クリーチャー特殊殲滅部隊サーバント更新停止中 トクメイ太郎 @tokumeitarou
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