第10話赤い熊

 卵を拾ってから数日が経った。

 良平は、自分の部屋に卵を持ち帰って内緒で世話をしていた。

「何が孵るか楽しみだな」


 良平が部屋でわくわくしていると、梓がいつものように無断で入って来る。

「何してるん?」

「い、いや何でもない」

 良平は卵をとっさに後ろに隠した。


「なんか怪しいなぁ。まあなんでもいいけど、これからまたクリーチャーの討伐行くみたいやわ」

「わ、わかった。先行っててくれ」

 良平は卵を自分の部屋の洋服タンスに隠して、クリーチャーの討伐に向かう。

「すまん。遅くなった。」


「遅い!」と梓が指摘し、今日の討伐対象の説明を武蔵がする。


「今日の討伐対象は熊のクリーチャーだ。討伐の理由は地上に人間が住んでいた時に、無差別に襲ってきたからだ。普通の熊とはパワーが違うから気をつけろよ。弱点は鼻先だ。 」

 早速地上に出て、車で熊がいる瓦礫山に向かう。


「クリーチャーって言っても熊みたない実物の動物がモデルになってるやつもおるんやな。」と少し気の抜いた感じで梓が、車の中で言うと、武蔵が言う。

「さっきも言ったが、通常の熊とは違うんだ。緊張感を持て」

「了解」

 良平と梓は車の中で返事をする。


 車を走らせて少しして、瓦礫山に着いた。


「ここほんま変なモンスター多そうで何回来ても怖いわ」

「まあそうだな。それは俺も同意だ。」。

 梓と良平がそんな会話をしていると、武蔵が話に口を挟む。

「無駄口はそのくらいにして行くぞ」

 三人は熊を探すため、瓦礫山の頂上を目指す。

「頂上まで意外と遠いなぁ」と梓が言うと、良平が心配をする。

「登れそうか?」

「登れそうかじゃなくて登らないとあかんねん」

「そうだな。」と武蔵はそう言いい、本当に梓は根性あるやつだなと改めて思う。


 山に登るをつれてだんだん梓と良平は緊張していたが、歴の長い武蔵は緊張など知らなかった。


「そろそろ着くけど、2人とも準備はできているか?」


「はい!」

 梓と良平は緊張しながらを返事をする。

 今日は運よく他のクリーチャーに出会わなかったのもあり、梓は少し調子に乗る。

「今日は運がいいなぁ。意外とクリーチャー達は私達の事びびってるんちゃうか」と梓が言うと、良平も同意する。

「あんまり、調子に乗るなよ」と武蔵。

 山のてっぺんに着くと服を着た赤色の熊のクリーチャーが現れる。

「めっちゃ真っ赤やん」と梓。

「すげー色してるな」と良平。


 二人は、熊のクリーチャーを見て驚いていた。

「驚いている暇はないぞ」

 武蔵がそう言うと、二人は真剣な表情で戦闘態勢に入る。

 熊が四足歩行で良平の方へ突進してくる。

「危ない!」と梓が言うと、良平は避ける。

「あんなの受けたらひとたまりもないやん」

「だから気を抜くなと言っただろ」と武蔵が注意をする。

「了解」とに2人が武蔵言うと、三人は固まらずにばらばらに行動して、熊を困惑させる。

「ガオー!」と鳴いて熊は三人の思惑通り困惑する。

 

 困惑した熊は、少し落ち着いて一番小柄な梓を襲った。

「なんでこっちやねん、良平の所行ってくれ」と梓が逃げた。

「大丈夫か!応戦するぞ」と良平は熊にダッシュで向かって行って大剣を振りに行く。

「おりゃあああ」


 大剣で熊に攻撃すると、梓に夢中になっていたこともあり、腕に攻撃が当たり熊の腕がちぎれて血まみれになる。

「ガアアアアア」と鳴き叫びながら熊は残った腕でパンチを繰り出す。

 それを大剣でガードして受け止めるが力が強すぎて、後ろにもって行かれる。

「片腕ちぎれてるにパワーすごすぎるだろ」と良平は攻撃をガードしながらも、気を抜かなかない。

 熊が良平に集中していたところを、梓と武蔵が攻撃を開始する。

 梓はお腹を武蔵は顔を攻撃した。攻撃された熊は泣き叫びながら倒れる。


「今回は弱かったな」と梓。

「そうだな」と良平は返事をすると、武蔵はまた注意する。

「今回の敵はパワーが強いだけだからな」

 三人は熊を捕食して、山を下りて車に乗って、殲滅支部に戻るのだった。

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