第5話巨大なボスゴブリン



 巨大なゴブリンは座っていた玉座から立って、巨大な金棒を二つ持ち戦闘態勢に入る。


「金棒二刀流とか初めて見たわ」と良平。

「剣ならまだしも金棒二刀流はな。なんか面白いわ」

 梓が笑っていると、巨大なゴブリンは怒った。


「ウンガアアアア!」

「あんまり怒らすな。今までとは多分全然違うぞ」

 武蔵が二人に注意をした。


「わかりました」

「わかってますって」

 三人が喋っていると、巨大なゴブリンの方から巨大な金棒を二つ振り回して攻撃してきた。


「やばいってこいつ。なんかすごいキレてるやん」

「お前が笑うからだろ」

「そんな怒ることか?」

「こいつにはそう思われてるから仕方ないだろ」

「喋らないでちゃんと真面目に戦闘に集中しろ」と武蔵。

 良平と梓は武蔵に注意されながら、攻撃を走り回りながら避ける。


「全然スキがないじゃん。どうするんだよ」と良平。

「上手くスキををついて私が攻めるわ。」

 小柄な梓はちょこまかと動き回って攻撃を避けながら巨大なゴブリンの足元に向かおうとする。


「なかなかいかせてくれへんな。やっぱりボスは強いな」

「お前は小さいし、すばしっこいからあと少しだ。頑張れ」と良平はガードと攻撃を繰り返す。

 すると、梓が少し怒りながら移動しようとする。

「今小さいって言ったやろ。結構気にしてるんやで」

「悪かったな」と良平。

「二人とも喋るな。1つ間違えれば死だぞ」と武蔵。


 そんな会話をしながら良平は右から攻撃して、武蔵は左側から攻撃して、梓はすばしっこく動いて巨大なゴブリンの下半身を狙いにいく。

「ウンガ。ウンガ」

 ゴブリンはイライラしながら、攻撃を続ける。

「ウンガ。ウンガうるさいな。そろそろ片付けるか」と良平。

「ウンガアアアアアア!」

 ゴブリンが叫びながら、巨大な金棒を1つ投げてきた。

 良平はよけようとしたが、風圧で少し顔に傷を負う。

 良平は、その場で倒れると梓が心配をする。


「良平大丈夫か?」

「心配は後だ。今は前に集中しろ」と武蔵。

 負傷を負った良平は、その場で倒れてしまう。

 梓もさっきの怪我が痛み、武蔵しかまともに戦えない状態だった。


「良平大丈夫か?」と武蔵。

「な、なんとか」

 良平は顔の唇と目のあたりが痛いのを我慢して、立ち上がる。

 良平は大剣をまた持ち直して巨大なゴブリンに向かう。

「大丈夫なんか?」と梓。

「OKだ。」

 良平は前にダッシュして行って武器を持ってない方の手に回転切りを仕掛けるが、片方の金棒を持っている方の手で受け止められる。

 受け止められた瞬間に、武蔵が槍で腕を突き刺す。


「ウギャアアアアアア」

 巨大なゴブリンは泣きながら腕から血をまき散らす。

「あと少しや」

 梓はスキをついて巨大なゴブリンの股間を狙って攻撃した。

 ゴブリンはぶっ倒れた。

 態勢を整えなおした良平と武蔵は、地面に着地してすぐさま倒れた巨大なゴブリンに向っていく。


 そしてへそを攻撃されて巨大なゴブリンは死んだ。

 そして、捕食だ。

「捕食ってなんか気持ち悪いわ。」と梓。

「そうかな。かっこいいと思うけど。」と良平。

「良平さ。マジで言ってるん?」

「おう。剣の先端がクリーチャーになって巨大な口を広げて獣を喰らうライオンみたいに骨まで残さず食べてる感じがかっこいいと思うんだ」

「まだ仕事は残ってるぞ。早く仕事しろ」と武蔵。

「まだ残ってるんですか?」

 良平と梓が嫌そうに言う。

「あとは散策してこの洞窟に誰もいないことを確認しないとな」

 武蔵が良平と梓に言うと、赤ちゃんを連れたゴブリンが複数体現れた。


「多分、メスの個体だな。メスは危害をくわえないから早く殺して帰るぞ」

「それほんとに言ってるんですか?」と良平。

 それに梓も同意するが、泣いているメスゴブリンを仕方なく殺すことにする。

「害がないのに殺すのは心苦しいわ」

「俺も」

 そうこう言ってる間に、武蔵はメスゴブリンを殺した。

 隊長の命令により、梓と良平はメスゴブリンを殺すのだった。


 まだサーバントになって間もない二人は、メスゴブリンを見て、クリーチャーと共存できる未来もあるんじゃないかと少し夢を見た。

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