第13話 シャロリアとパーティー

「今日も頑張った!」


 私はエリム、今日も授業が終わったので帰ろうとする。

そこに、ある生徒が私に話しかけてきた。


「あの…すみません。エリム、この後はご用事ありますか?」


「んー?真っ直ぐ帰るつもりだったけど?」


 同級生のシャロリア

この生徒はお姫様だ。


「もし宜しければ、お父様とお母様が開催するパーティーに参加しませんか?とても楽しいですよ。お食事もあります」


「いいの?私、そういうパーティーとか参加したことないんだけど…」


「大丈夫です。私が一緒ですので」


 お姫様が出るパーティーに参加できるなんて、夢みたいだ。

これは、参加するしかないだろう。


「じゃあ行くね。イリスには話しておくから」


「分かりました。では、後程。家で待っていてください」


「はーい」


 で、私はすぐに家に帰った。


「おかえりなさいませ。ご主人様」


「イリス、これからちょっとパーティーに行ってくるね。夜ご飯は大丈夫だから」


「パーティー…ですか?私にはよく分かりませんが、楽しんできてください」


「うんっ」


 鞄を部屋に置いて、家の前で立ってシャロリアが来るのを待っていた。


「どんな風に来るんだろう?」


 待っていると豪華な馬車が、私の家の前に現れた。


「え!?」


「お迎えに参りました。それでは行きましょう。エリム」


「う…うん…」


 お姫様だからこれぐらいは普通だとは思うが、想像を超えていたので緊張しながら、馬車に乗った。


「パーティー、楽しみですか?」


「そりゃあ勿論!どんなパーティーなんだろうな〜」


「ふふ…そんなに楽しみにしてくださるなんて、こちらも嬉しいです」


 そうして、パーティー会場についた。

会場はお城だった。


「広…」


 とにかく広いので迷子になりそうになる。


「では、着替えに行きましょう」


「そうだね…」


 パーティーなので着替えなければいけないらしく、シャロリアに更衣室へと案内される。

そして、制服から綺麗なドレスに着替えた。


「こ…これ…私これ着て似合うかな…?」


「えぇ…とてもお似合いですよ。お姫様みたいです」


 まるでお姫様になったみたい。

着るだけでそう感じるのに、シャロリアに言われるとより、意識してしまう。


「お姫様はシャロリアでしょ〜」


「ふふ…それでは、行きましょう。お手を…」


 シャロリアと手を繋ぎ、大きなホールへと入る。


 見渡すと辺りはセレブだらけだ。


「こちらです」


 シャロリアはしっかりと私を連れて行ってくれている。

最初は緊張していたが、シャロリアと手を繋ぎながらなので緊張がほぐれてきた。


「シャロリア、来ましたね」


「お母様!」


 シャロリアの目の前に誰かが現れる。

多分、シャロリアの母親だろう。


「こちらが、以前紹介したエリムです」


「は、初めまして…エリムです…」


 相手がシャロリアの母親なのでまた緊張してしまったが、挨拶する。


「この方がシャロリアのお友達ですか?」


「はい。私の大事なお友達です」


 私の話を2人はしている。

大事なお友達って呼ばれるのは素直に嬉しい。


「では…魔法の1つや2つは使えますこと?」


「お母様…いきなりそんな無茶な…」


 どうやらこの様子だと私を試したいらしい。

いいよ。やってみせる。


「使えますよ。何魔法が見たいですか?」


「では…火魔法を。あちらのケーキのキャンドルに魔法で火を灯してください」


「分かりました…」


 そして私は杖を取る。


「エリム…大丈夫ですか?先程から緊張してそうですし、あまり無茶は…」


「大丈夫だよ。私、魔法は得意だから。それにシャロリアのお母様でしょ?かっこいいところ、見せてあげなくっちゃね」


「頑張ってください」


 私は杖を持ち、魔法をキャンドルにかける。

そして、キャンドルに火が灯る。


「まぁ…お見事」


「お楽しみはこれからですよ」


 杖の持ち方を変える。

持ってきたハンカチを片手に持ち、何かを上にあげる描く仕草を取る。


「こ、これは…」


 風魔法を使い、ハンカチを浮かせる。


「さらにっ!」


 光魔法を使い、壁にイルミネーションを描く。


「とてもお上手…」


「お母様、これがエリムです。これがエリムの凄いところなんです」


 シャロリアが私の隣に立ち、私の良いところを教える。

シャロリアの母親だけではなく、会場に来ている人たちも私とシャロリアを見ている。


「貴方は素敵ですね。私の想像を超えました」


「ありがとうございます。シャロリアは…私の大切な友達です。見た目も服装も可愛く、声も綺麗で普段の雑談も含めた会話も楽しく、2人で話しているだけで心が安らぎます。シャロリアとは、この先ずっと…フロンティア学園を卒業した後も友達でい続けたいです。それぐらい、シャロリアは私にとってかけがえのない友達です」


 私はシャロリアの良いところを、話した。


「シャロリア、良い友達ができましたね」


「はい…お母様。私はエリムと一緒に過ごせる学園生活が幸せです」


「将来の結婚相手になるかもしれませんね?」


「お母様、まだ早いですよ。ですが、エリムとなら…」


「ほほ。青春ですね」


「も〜お母様ったら〜」


 楽しそうな会話が続く。


「娘と…これからも、仲良くしてください」


「勿論ですよ。シャロリアのお母様」


 そうして、周りから拍手喝采が起こった。


「なんだか…照れますね」


「照れるシャロリアも可愛いよ」


「ありがとうございます。エリム、貴方も可愛いですよ」


 可愛いと言われるのやはり嬉しい。


 その後、シャロリアは再び私と手を繋いだ。


「エリム、踊りましょう」


「踊れるかな…?」


「私と一緒ですので…大丈夫ですよ。さぁ…」


 そうして、私とシャロリアはホールで踊った。


 流れる綺麗な曲と共に。

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