第10話 高揚感皆無(歌姫編)
自暴自棄に陥って、男と交際をスタートさせる。慎重にものごとを進めてきたものとして、軽はずみすぎる行動だと思わずにはいられなかった。
勢いだけでスタートさせたものの、相手に対する恋愛感情は芽生えなかった。好きになろうとすればするほど、相手のことを嫌いになっていく。あと一週間後には、顔を見るのすら耐えられない状況になっているはず。
嫌いな部分はいろいろとあるけど、一番の理由は自分勝手すぎること。相手に対する思いやりをまったく感じない。自分さえよければ、他のことはどうでもいいと考えるタイプ。こいつと一緒にいても、絶対に幸せになることはできない。
「歌姫、手をつなごうぜ」
大嫌いな男と手をつなぐ。頭で思い浮かべるだけで、虫唾が走った。
「ごめん、今日はそんな気分ではないの」
自分勝手な男には、こちらの本心は伝わっていなかった。
「手をつなぐよりも、キス、ハグをしたいのか。俺としては大歓迎だぞ」
手をつなぐのを拒んだことで、事態はさらに悪化することとなった。
「歌姫、キスしようぜ」
生理的な無理な男が、キスのポーズを取った。唇をくっつけていないにもかかわらず、嗚咽を漏らしそうになった。
「今日は気分が悪いかrあ、もう帰りたいんだけど・・・・・・」
「そんなことできるはずないだろ。俺を満足させるまでは、絶対に帰らせないからな。夜の11時、12時までつきあわせてやる」
歌姫は最低な発言を聞き、こいつと別れると決めた。
「あなたとはもういられない。すぐに別れて・・・・・・」
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