解体作業のなれの果て
「まぁ、牛の解体なんて慣れるまでは仕方ないかもしれないな。 俺だって満足に解体できるようになるまでかなり時間がかかったし、プラグちゃんなんか慣れるまでは毎回泣いてたし必ずおもらししてたからな
」
「だって、解体してるときの津島様、今でもそうですけど、鬼みたいな怖い顔するんですよ、おもらしだって……、もうおもらししないもん!」
「あぁ、プラグちゃんはいつもピィピィ言ってたけど
今じゃ、一人でやれるところまでできるようになったもんな! でも返り血を舐めるクセは、どうにかした方が良いぞ!」
巨大な肉の塊にザクリ! と包丁をいれながら二人の会話を聞く。
「この世界じゃ老若男女誰でも解体ができるから、そこはすごいビックリ。 小さいものならプラグちゃんより小さい子供でも日常茶飯事。 この世界で生きていくには解体は絶対のスキル! でも自分で捌けるようになれば世界も変わってくるから!朝立もできるようになるといいと思うぞ」
この世世界の食糧事情はわからないけど、津島とプラグちゃんをみて確かにこの世界で生きていくには解体のスキルは必要なのかもしれない。
まだ完全に血抜きが終わってない肉塊から滴り落ちる真っ赤な血。
切り分けた生肉をそのままバチバチと燃え上がる炎の上、鉄板や鉄網ではなく、焼き石の上。
ジュワァァァと独特な香りを爆発させながらピンク色だったのがあっという間に土色に変わる。
独特な香りが拡がる焼き肉を前に、お風呂に入りなおしたプラグちゃんと同じく返り血をもろに浴びていた津島もプラグちゃんとお風呂に入り、新しいパンツとシャツに着替え目を爛々にしながらよだれを垂らしている。
あたしは調理実習の経験から肉を切り分けて2人のまえで肉をつまみ焼いている。
そう、アタシは血だるまになった津島とプラグちゃんをみてあまりの衝撃に気絶したそうだ。
小屋の入り口、踊り場でドサッと倒れたあたしに気付いた津島がアタシをベッドに運び、どれくらいの時間気を失っていたかわからないけど、付きっきり看病していたプラグちゃんの顔が目の前ににあった瞬間、アタシはさらに気絶してしまったようなのだが、プラグちゃんの顔が鬼のようにみえたのはここだけの秘密。
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