プラグちゃんの聞きたい事はなんだろう?
「津島様もカノン様も、元の世界、異世界からきたんですよね?」
「そうよ、正確には異世界からきたんじゃなくてあっちの世界からこっちの世界に連れて来られた感じかしら」
湯煙がふわっと広がる湯水の上、この大陸の温泉にはじめて浸かり、温泉の魅力というのを堪能。
元の世界の温泉地では足元がゴツゴツしていたりこんなおしりや背中が不揃いの凸凹になっていることはない。
まぁ、異世界と元の世界の文明や文化の違いなんだろうけど、でも、そんな足やおしりや背中にあたる凸凹のふかいかや違和感というのは温泉に入ってしまえば全く関係ない。
温泉の気持ちよさと比べたらそんな凸凹も身体のあちこちを刺激するマッサージ機能と考えればいいし、よほどデリケートでそういった凸凹が気になるのなら座る場所を変えればいいだけのこと。
津島の案内で会員制? の温泉をフルサービスで仲良くなった? プラグちゃんと、今度ほラム大陸の岩山の奥地で露天風呂。
元の世界では温泉の成分とか効能とか気にする人もいるけど正直、気持ち良ければそんなのどうでもいい。
今回はプラグちゃんのフルサービスはなく、普通の女の子同士で温泉タイム。
「あの……。」
とあたしと津島がこの世界の人間ではないことを聞かれ、あたしはそれを肯定。
そして、
あたし達の元の世界の事に興味をもったのか、『あの……。』 と口を開き口ごもる。
「……」
なんだろう。
あの、と言って沈黙。
よほど聴きづらい事なのかな?
「……。」
黙り混んで凄くモジモジしてる。
よほど答えづらい事でなければどんな事でも答えるつもりだけど、妙に長い沈黙。 何を聞きたいんだろう?
「あの、津島様やカノン様の居た世界って、どんな世界なんですか?」
かなりの無言が続いたけど聞きたい事ってそれ? よっぽど変な事聞いてくるかと思えば、そんな事……。
「至って普通の世界よ。 でもこの世界に比べたらイロイロ楽しいものがあるけど……、でも凄くつまんない世界よ」
この世界とどう比較したらいいかわかんないけど元の世界は文明が発達して、いろんな便利なものもあれば、おいしいものも沢山ある。 だけど、その反面嫌な事もあるし面倒くさいこともあるし、つまらないこともやっぱりいっぱいある。 プラグちゃんが聞きたい事ってこんな事なのかな?
「そうなんですね。 わたし、わたしたちのこの世界はホントに何もないし、大変な事ばかりだけどわたしは凄く平和でいいと思ってます」
ありきたり……。 ありきたり過ぎる。あたしの予想ではもっと違うこと聞きたいんだとおもうんだけど気のせい?
「わたしたちの世界って津島様がくるまでお風呂とか温泉とか全くなくて、津島様がお風呂? とか温泉の事教えてくれてホントにびっくりしました。 カノン様達の世界にもお風呂とか温泉沢山あるんですよね?」
プラグちゃん、聞きたい事から話しをそらしてお風呂や温泉の文化で必死に誤魔化そうとしてる。
プラグちゃんがホントに聞きたい事がなんなのか、気になるけどまぁいっか……。
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