ポーションと言われ、馬のおしっこを飲まされてしまった件
一口……。
口に含み、口の中で転がすようにして味わい、喉をならしてゴクリと飲み込んだ瞬間だ。
…………。
「異世界のポーションって、結構アレかもしれないけど、現実的に馬のおしっこなんだよな~」
ぶぶぶー!
飲み込んだものを吹きだすようにして吐き出す。
しかし、一口飲んでしまったもの、喉を通過し胃袋に向かって滴りおちていくものまでは吐き出すことができずその場にしゃがみこみ 、なんとか吐き出そうと頑張ってみたけど間に合わなかった。
「ちょっと、あんた! ポーションとかいいながら変な物のますなぁ~っ!」
間に合わなかったったものは仕方ないと諦め、馬のおしっこを飲まされたあたしは津島に掴みかかる。
「えっ? そうだったんですか?」
と、ポーションを飲み干して、いつの間にか体力が回復したのか? 液体が入っていた空ビンをしげしげと見つめるプラグちゃん。
「もちろん冗談だけどな。 ポーションの成分がなんなのかはまだ不明。 でも怪しいものじゃないのは確かだよ」
と、ぐわんぐわんと首を揺すられている津島
涼しい表情。
この、津島という男! 怪しい! でも口に含んで臭くもなかったし、おしっこの味もしなかった。 それに客観的に見て、さっきまで歩き疲れて顔色が良くなったプラグちゃんを見て馬のおしっこではないと判断。
それに、一口口に含んだ時はちょっとドロっとした感触はあったけど、どちらかといえばちょっと甘い味わいだったのを思い出す。
なら大丈夫だろうと、改めてガラス瓶を口にあててゆっくりと口の中に流し込み、味わいながら瓶を空にさせる。
身体の中心から不思議と漲ってくる暖かさとエネルギー。
頭の中までしゅわしゅわ~っと広がる感触。
元の世界にある栄養材やエナジードリンクとは全く違う感覚に体力が回復したような感触を感じられた。
「じゃあこのままもう少し歩くよ。 この先の開けた馬車に到着したらのこりわずかだから」
と、津島は空になった瓶を回収して足を進める。
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