津島は調律師。 うわさの弦を求めて海を渡ったそうだ
「他国と比べたら人が住みにくい大陸なんだけどね、人間の欲求は元の世界と変わらないんだよな」
ラム大陸は基本的に岩山ばかりの大陸でその大陸の山々はまともな岩山は数少なく、その殆どが遥か昔の天変地異の大災害で大きな裂け目がいくつもできてしまい、経年劣化と共にその裂け目が広がりいくつもの裂け目が広がり人が住むのには困難で適さない大陸であったというのだが、人間の欲望というか人間の生存欲求はその困難な環境をも切り開き、こういった過酷な場所にも生息地を拡げたのだそうな。
「なんかわからない話しですけど、一説にはこの大陸を魔王が支配していて魔物のすみかとして魔王がその力を大いに振るったとこ言い伝えがありますよ」
「まぁ、俺もこの大陸には大分いるけど全部を見てまわったわけじゃないし、未踏の地にはもしかしたらもあるのかもしれないよな。」
「逆にいえば人が隠れるのには最適な大陸って事かしら?」
「確かにそれはある。 だけど俺の場合は、この大陸にいる珍しいトカゲのヒゲがいい音を出すって聞いて そのトカゲを探して今も……。」
と、どうやらこの津島は調律にかなりのこだわりがあるかのようで、エーデル島でピアノの弦の話しを聴いて、海を越えてここまで来たということだ。
「エーデル島の酒場のピアノそれに共鳴の塔、魔王城の大聖堂のピアノ、他にもいくつかのピアノの音の秘密はどうやらこの島のトカゲのヒゲだって話しなんだ」
人が住む居住地から離れ、差し込むはずの陽光が岩山で遮られ、昼間なのに薄暗い裂け目を津島の案内、エーデル島のピアノの謎に対する回答をしながら進む。
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