津島のやってること
「それでは頭も失礼しますねぇ」
と、背中の泡と汚れをお湯で濯がれ、後ろから今度は頭をワシャワシャと現れる。
「津島さんはピアノの調律をするかたわらでラム島に温泉の文化とフルサービスをで伝授してくれたんですよ。」
と、どうやら津島がこの世界にやってきて元世界の文化を教えたようだ……。 ん? 今ピアノのちょうりつ? 調律といったのかな?
「元はエーデル島のピアノを何台か調整した後にこちらにきたんですよ」
つまり津島紀之は調律師ということ?
プラグちゃんは丁寧に頭を洗ってくれてくれてお湯を流してもらった。
さすがに前は自分で洗ったけど、プラグちゃん曰く前もやる気だったらしい。
とりあえず、身体を洗ってもらったので湯冷めしないようにという事で今度はプラグちゃんと一緒に入浴。
「カノン様は津島さんと同じ世界からきたんですよね?」
どうやら、プラグちゃんはあたし達が違う世界からきた事を知っているかのようだ。
「このラム島にも数台のピアノがあるんですけど、ピアノが人を選ぶみたいでそのピアノを調律した津島さん、もう調律は終わったみたいだけど、そのピアノを弾いた人はいません」
このラム島には曰くつきのピアノがあるようだ。
「だったらあたし、挑戦して見ようかしら?」
「でしたら明日津島さんが定期的に調整する日らしいのでご一緒しませんか?」
曰くつきで定期的に調整が必要なピアノ、それは一体どんなピアノなのか?
丁度スワップ団の団長にあたしのハートに火をつけてもらったんだ、その火が消えてないかどうか確かめるためにもちょっとやってみようかしら。
あたしはプラグちゃんを背中から抱きながら、胸の中に灯っている炎を感じていた。
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