波の狭間からの助け船
「あんたもしかして、奏人のカノン様かえ?」
海の真ん中に頭を出したような場所であたしは人魚相手に演奏していた。
あたしのピアノの音にキャッキャッいいながらレティーともう二人。
小さい人魚 二頭かしら? ピーンとナッツというらしい。
三頭の人魚相手にあたしは自然とすごく楽しい演奏ができた。
周りの全てが見えなくなる本気の演奏ではなく極めて自然体のワタシでの演奏。
鍵盤を弾く度に跳んだり跳ねたり。
笑顔いっぱいの人魚への演奏はこの上ない一時だった。
だけど、そんな一時もスーっときえるように姿を消した三頭。
そのまましばらく一人で演奏してたんだけど、やっぱり何かもの足りなさを感じて鍵盤から指を離した時だ。
「オ~イィ! 誰かいるのかぁぁ!?」
と、波の狭間に聴こえる声。
「こんな所でなにしてるん? 島流しにでもされたのかぁ?」
とは、大陸へ荷物を運んでいる船からの声に助けられ船に乗せてもらった。
沢山荷物を積んだ大きな船とその船に乗るのは筋肉隆々の海の男!
ピアノを演奏する前まで、こんな所でどうしよう? とは思っていたものの人魚相手に演奏していて楽しかった反面不安を抱えていたなんて言えない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます