今度は異世界転移クルーズツアー
ザザーン……。
バシャッバシャッ!
ザザーン!
周囲を取り囲む海水が波打ち壁にあたる。
四方……。 だけでなく完全に周囲は海水で囲まれているこの状況。
ここはドコ?
無人島成らぬ無人の灯台。
灯台だろうと思う。
僅かに剥き出し海水の上にひょっこり頭を出した島の上にドーンとそびえるレンガを詰みあげたような灯台の中。
覗き窓から見た景色はドコまでも続く青い海に青い空。
あたしがこの状況に陥っているのは、ハッキリ言って騙されたからに違いない。
異世界転移ツアーから帰ってきて現代という現実。
そして、 いつの間にか修学旅行中だったあたしは修学旅行の自由行動を終えホテルに戻り、あたし達が行ってはいけない地域、おちんちん島。
正確にはおツィンティン島だ。
その、オツィンティン島に行ったことがバレたのかどうかは定かではないけどあたしだけが呼び出された。
呼び出したのは担任の先輩だという水野エルだ。
そう……。まさかの水野エル。
あの頭のおかしい異世界転移ツアーのガイドだ。
いや、だがしかし!
偶然にもあの異世界転移ツアーの水野エルが修学旅行でバッタリなんて、そんな偶然は出来すぎ。
あの異世界転移ツアーの水野エルとは別人なのかも? と疑ってみたけど、やっぱり同一人物だった。
「朝立カノンさんの力を
借りたい」
と、別室に案内されてまたもやそこで、水野エルの不思議な力? 不思議な
空間状態にされて、異世界転移ツアーへ再び拉致されたわけだ。
水野エル曰く今度は異世界転移クルーズだそうだ。
『豪華客船にのり大海原という大舞台で演奏して欲しい』
との事。
なんでも前回の異世界転移ツアーで強制送還となった事に関してのお詫びということで異世界転移ツアークルーズへの特別招待だそうだ。
だが、結果は見ての通り無人島。 しかも無人の灯台の中。
流石は安定の頭のおかしい異世界転移ツアーガイド、水野エルだ。
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