元教員? ツアーガイドの水野エル 再び!

「お久しぶりですカノン様」

  

 ニコリと笑う笑顔の可愛い、ツアーガイドが待ち構えていた。


 黄色いジャケットに黄色いスカート、頭にちょこんと乗る帽子までも黄色で統一された異世界転移ツアーのガイド、水のエルだ。




 確か、転移先の異世界であたしに懸賞金を掛けようとしたと思えば、酒場であるヌードバーで浴びるように酒を呑んで酔いつぶれていたグータラツアーガイド。

 

 エーデル島では市井をかき回す迷惑な存在として認識されている。


 あたしはといえば、水のエルが仕事をしている場面や活躍した場面を見ていない。

 

 さらにいえば、異世界転移ツアーであるはずなのに、拠点となる宿泊先すら用意していないと言う体たらく。

 

 果たして彼女が本当にツアーガイドなのか疑ってしまう。


 「朝立さん、こちら水野さんは東アジアを担当するツアーガイドで元教員で私の先輩。 朝立さんがピアノがうまいという事を聞いてあなたにお願いがあるみたいなんだけど……。」


 と、修学旅行の引率の教員があたしに説明するが、あたしは彼女の

存在を知っているからだと単に「あぁ……。はい」 としか答える事ができなかった。


 

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