男の汗と潮の匂い! G線の謎とこんなところでピアノ教室の答え
ずっと胸の中に引っ掛かっていた疑問をアリアにぶつけてみる。
元世界ではG線と言えばG線のアリアで有名なあの名曲が真っ先に思いつく。
そのG線のマリアを引っ掛かけて考えるとアリアは奏人という言葉では収まらない奏者という事になるのだけど……。
「知らない間に皆さんが私の事を勝手にG線と呼びはじめて広まっただけで意味は全くないみたいです」
と、あたしが想像していたものではなく島内でそう呼ばれたのがきっかけでいつの間にか広がり浸透したとのこと。
筋肉隆々の海の男達が寿司詰め状態で集まった集会所、キツイ男臭に包まれアリアは表情を消して入場。
こんな荒くれ者の男達にピアノを教える意味があるのかかなり疑問。
あんなぶっとい指で鍵盤なんて絶対ム リ!
筋肉隆々の男達に囲まれてアリアは椅子に腰かける。
「大丈夫です。この島の生活を支える漁師の方達はピアノを習うと言うよりも生演奏が、聴きたいだけですから」
と、G線に関してもこの集会所に関しても身も蓋もない結論。
「…………」
なんじゃそりゃ!? 返す言葉が見つからず、その場でコケそうになるのを踏ん張るとアリアの演奏が始まる。
「アァリィア!ちゃーんー」
と男達の声援を受けながらアリアの演奏。
汗と塩の匂いが入り交じる空気の中、アリアは表情を消している。
どうやらアリアの、表情が、消えるのはいろんなモノを我慢するためのクセの様なもののようなのだけど、ごめん。
あたしにはこの空気は無理。 一刻も早く外に出たい。
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