ヤムリ-君のお宅……。
あとちょっと練習すればンコヒーもアリア程度のレベルになるはずだろう。
まぁ、そのあとちょっとが凄く難しいのだけど、それはンコヒー次第としか言えない。
さてさて、続いて本日最後のヤムリー君。
朝から元気いっぱいに盛大に転んで擦り傷作って、アリアの回復魔法によって治療してもらったけど、あれから随分時間が経ったけど、どうしてるのかしら。
陽が傾きはじめてちょっとお腹がもったりしてきてるけど、頑張らなくては! とアリアの後をついていく。
朝食にかんしてはヌードバーで軽くお腹に入れてからは、行く先々で何らかの食べ物をもらえるのでお昼ご飯は必要ない。
大通りを通過し色とりどりの、漁船が見える港を尻目に脇道に入る。 全ての始まりであるヌードバーへの帰り道にヤムリ君のお宅
はあった。
正確には、アリアの案内なんだけど……。
「ちょっとコレ、ピアノの練習ができる環境じゃないじゃない」
そう
、ズバリ、ピアノができる環境では全くない。
屋根は穴が空き天井が見えピアノはほぼ野晒し、食べるところや寝るところは雨風さえ凌げればいいという木板が立て掛けられている程度。
ヌードバーに続く海沿いに建てられている事から潮風や高波に侵食され拐われた感じなのだろう。
「食べ物は直ぐそこで捕れるし、最悪港にいけば、魚が貰えたりするから問題ないもん!」
と、あたしがこのあばら屋をまじまじと、みているとヤムリ君がツンツンしながら説明してくれる。
「ねぇアリアぁ……。」
と、あたしの言いたい事に対して困り顔で首を振る。
「ヤムリ君はピアノで成り上がる! って聴かないの」
「どうしよう……。」
ピアノは一応あるけどこんな状態じゃピアノの練習どころじゃないし、ピアノも音が出るかわからない。
「あーら、アリア様にカノン様、ヤムリ君のところに来てくれたのね?」
とは、恰幅のいいおばさん。
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