魔王城にそびえる共鳴の塔

と、それがさも日常的な事のように感謝するおばちゃん。


 「アリアお姉ちゃんありがとう! これで僕もピアノの練習できるよ!  あとでまたきてねー」


 と手を振りおばちゃんの手につながれてヤムリ君はその場を後にした。


「このエーデル島には魔王城があります。 魔法と呼ばれる現象は恐らく、この魔王城に残された魔王の魔力の影響でしょう」


 あたしが聞きたい事をその場でピタリと立ち止まり、魔王城がそびえ立つ方向を見ながらアリアが教えてくれる。


「 私だけが魔法を使えるというわけではなく、島の何人かは私と同じように魔法を使うことができます……。」


魔王城へためらいながら視線を投げるアリアの声が少し、沈んだように聴こえるのは気のせい?

 

 なんとなく、これ以上魔法に関しての追求はアリアには悪いのかな? と思っていると、アリアはその場から離れるように歩き出したので、あたしはその後を追う。


 「これから向かうのは魔王城に併設されている搭。 私達はその搭を共鳴の搭と呼んでいます」


 魔王城にそびえる搭をためらいがちな視線でみるアリア。


 魔王城にそびえる一際太い尖塔。


 魔王城といえば、先端が鋭く尖った搭が沢山あるけど、だけどその搭の内部はどうなってるのかは定かではない。


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