輸入に頼るエーデル島の仕組み
「アリア様、いい忘れてました。」
長老と呼ばれるリバースヘッドの橫から私の出番かしら!? と言わんばかりに威風堂々と靴をならしあたしに近づく。
「このエーデル島にはこれといった特産物もなければ生産物もありません。外海の向こう側の大陸からの輸入に頼らなければならない、なにもない島国です」
アレアレ? 耳馴染みのいい日本語で水野があたしに説明してきてる?
つまり重要な話しであり内緒話しという事ね?
「もちろんほぼ百パーセント外の大陸に頼らなければならないので、これといった生産物もありません」
なにもない島国というワケね?
「もちろん外の大陸から何かを得るためにはその見返りが必要なんです」
確かにそうだ。ただで食料や生活物資が手に入るなんてそんなのあり得ないわよね。
「その見返りとして、唯一この島が提供できるのが奏人という存在」
ちょうど奏人について知りたかったんだけど……。 でも、資源が全くない島国に海の向こう側からの輸入その対価としての見返り……。 そして奏人という単語。
これだけの事を聴けばなんとなくわかる。
サルでもわかる。
対価としての奏人の提供。
そしてアリアという奏人という存在……。
「奏人という存在は日本でいえば芸能人みたいなものです。」
アレ? あたしが想像してた対価として奏人を差し出すという話しじゃないの?
「ここまで話せばなんとなくわかってきたとおもいますがカノン様が今お考えになられてる対価としての奏人の提供というのは半分は間違い……。」
と、カノンの説明が途中で
区切られ中途半端に終わってしまう。
っていうか、そういう事は日本を出発する前に話して欲しいんだけど……。
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