第4.8話

 どれほど前の記憶だっただろうか。


 夢を見ていた。

 崇高じゃない方の、見たくない方の夢で。


 自分の好きなことの話をして、誰にも相手にされないまま、家に帰った日。

 それでも話し続けて、話が通じる人とようやく巡り合えた。でも、結局他の話題に負けてしまって、他の人に合わせる一方で、嫌になった日。

 段々話す人が少なくなって、ほんの少しの大切な人としか過ごさなくなった。

 自分の気持ちが間違いだった、なんて思いたくもなかったけど、そうなんだろうな。認められないのなら、納得する。


 でもどうせ、将来話さなくなる人なんだ。別にいい。


 明晰夢なのか、ちゃんと今のことも考えられる。

 また学校で、あの人に会えるなら。

 この苦しみも、きっといつか。


 

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