12月22日

久しぶりに会った彼女は、ファミレスに1歳の子供を連れてきた。


あんたが結婚するなんて、想像もしなかった。


数年前に、二十歳を迎えた私達。


ついこの間、お酒を呑めるようになったばかりだというのに。


2.3年会えていなかっただけなのに、あんたはあまりにも遠い存在になっていた。


『今日、あんたの家、泊まって良い?』なんて、気楽に聞けないね。


旦那の愚痴を聞く私。


目の前にいる親友は、それでも幸せそうだった。


顔が綻ぶ。


『何笑ってんのよ』


『いや、幸せそうだなぁって。』


子供をあやす親友は、既にお母さんの顔になっていた。


私はね、あんたがいるだけで、心穏やかになれてた。


私は、あんたがいるだけで、強く生きれた。


あんたには、今、家族が出来た。


『卒業しても何も変わんないよ、私達は』


とか言ってたけど。


呑んでも呑んでも酔い足りない。


いつもなら、もう眠くなるはずなのに。


今日はもう帰りたい。


家に帰って呑みなおすんだ。


酔ったふりして泣いた。


夏の香りがした。


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