双子座泊地

双子座泊地

空にしろ海しろ、

人々は大海を往き、しるしを求める。

大きな灯りには駅名を、

繋ぐ往路には架線を、

そして出来上がる切り取りに、

刻みつける様に名前を付けた。

冬の空に横たわる、

双子座泊地のその真ん中、

三つ子のベルトの駅員は、

密集地の多忙さの中で、

しかし隣人の確かさを知るが、

遥か四隅にある兄弟を知るのだろうか。

遼遠の恒星の光に、

何の気なし神話を語る、

我々は隣人の後姿すら知らないが、

只々冬夜の寒さを知る。

そして確固たるを、しるしに求めるのだ。

此処まで読んで頂き、有難う御座います。

双子座大好き。

2024.2.3 0:32