4.ビックサム、変態と会う

「えっとニンフ寮は、ここです……か……」

 

 庵たちとニンフ寮という俺たちが住む寮に来たのだが、案内された寮を見て庵は、騒然とする。そこには、西洋のお屋敷のような建物が経っており、寮とは思えないものであった。


「バイオにありそうな洋館だ……」


「さー! いこー!」


「ちょ、蘭華ちゃん! 待って罠があるかも!」


蘭華ちゃんは、門を勢いよく開け扉まで元気に走り扉に手をかける。


「ではオープ……ン……からのクローズ……お、おお、おにい!」


「らら、蘭華ちゃん! ど、どうしたの!」


「……うぅ……み、見てはいけないものを見てしまいました」


蘭華ちゃんは、扉を開けると、突然閉じ、俺のほうまで涙目で走ってくる。

俺たちは驚く蘭華ちゃんは、見た目は、お姉さんであるが中身はまだまだ14歳突然の出来事に混乱してしまっていたのか、俺の服にギュッと捕まり離れようとしない。


「草薙さんは、研究者と言っていました。もしかして中にはモンスターがいたりして」


「まさか、御園さんはそんな研究。いやもしかして……そういうことか! 蘭華ちゃんすまないが、少し服を脱ぐから、離れてくれないか?」


「な! ば、ばかですか! アナタ妹の前で露出行為なんて……」


「むしろ、おにいが服を着ていることに驚いてたし、それは大丈夫だよ? あ、でもおにい、服は私が持つからね」


「分かった! 変態変形(トラ〇スフォーム)!」


「ふへへ……お兄ちゃんの香り」


「なぜ脱ぐんですか! そして蘭華ちゃんは、乱馬さんのパンツを被らないでください!」


俺は、変態変形で、裸(本来の姿)に戻る。そうすることにより俺の力は、3.14倍(当社比)上がるのだ!

そして相変わらずの反応の庵と、俺のブリーフを被った蘭華ちゃんは、扉をゆっくりと手をかけ開ける。


「おじゃまし…………」


「……」


俺が扉を開けると、そこにはカオスが広がっていた。

天井の吹き抜けから全裸亀甲縛りで宙吊りになり悦に浸った顔の巨乳美少女にそれを撮影しフルテントなカメラ男、そして、以前あった金髪ツインテールのシスターが亀甲縛り巨乳女性の体の上に灰皿を置き煙草を吸っていた。

一方こっちは、変態変形した俺とパンツを被った蘭華ちゃんに美少女庵。


「へ、変態だぁーーーー!」


「へ、変態だぁーーーー!」


俺は、変態を前に絶叫をしてしまう。なぜか亀甲縛り巨乳女性も同じように絶叫する。


「いやどっちも変態ですよ」


辛辣な庵であるが叫んだことにより亀甲縛り巨乳女性は、吊りのため体が思いっきり揺れ、煙草を吸っていたシスターが慌てる。


「おいバカ! 揺れたら灰皿が!」


「ぶはっふ! ゲホ! ゲホ! あ、あつい! ひゃん! あ、だめ熱い! き、ぎもちいぃぃぃぃ!」


「お、刹那が潮を吹いた。うむ今日のネタはこれだな」


灰をかぶりタバコの火が体に当たり興奮して快感を放出する女性に、悪びれることもなくその場で下半身をまさぐりだす男……まさにカオスであった。


「ああ、この前の面の良い兄ちゃんに、サイコパス女と……ふむ、兄ちゃんの妹が来ると言ったが、見るからにパンツを被った姉ちゃん……。悪かったな驚かせて! まあ、変態ばかりだしちょうどいいから上がってお互いに自己紹介でもしようぜ」


戸惑っている俺たちに、この前俺にテーザー銃を撃ったシスターが握手を申し出てくる。

少し煙草臭いが悪い気はしない。

怪しい。

俺は手を出すとシスター手を握ると思いっきり背負投げでシスターを投げようとする。

しかし、シスターは、軽い身のこなしで俺の拘束を抜け、憩いで庵の背中に飛びつくと、手から小型のスタンガンを取り出し、庵の首元に近づける。


「ぎゃはは、なんだ兄ちゃん。勘が良いじゃないか」


「あのまま普通に握っていたらまた感電だよ。あとは、二度も俺の芸術的な体に電流なんて流させない」


「えっと、悪意がなければいいんですけど、いい加減離れてくれませんか? 私だって怒りますよ?」


「い、庵さん、冷静過ぎない?」


冷静に離れるように促す庵にシスターも何かを感じたのかおとなしく、その場を離れる。


「おっと、こりゃ失礼。この変態の巣窟ニンフ寮、新人が来るって言うから歓迎会を

やろうとしたのだが……変態どもは、SMショーやら、盗撮作品上映会で議論が白熱して、結局みんなで好きなことをやろうとなってこうっちまったんだよ……」


「はぁ……はぁ……良く言うわ、自分だって天下一武〇会を開くとか言ってたくせに……」


あー、うん。これは、残念だ。

亀甲縛りの全裸の女性は、体を器用に曲げ縄を脱出し、平然と全裸でこっちに歩いてきた。

ゴキゴキという間接を外すような音は気にしない。絶対に痛い。

しかしまあ、俺の様に芸術的な体とまでは及ばないが、それでもその所作は、長くつややかな黒髪が靡きまさに貴族である。

全裸でなければ。


「やあ、初めまして……ああ、蘭華ちゃんは、学校であったね。私は、永久刹那(ながひさせつな)大学三年生で専攻は民俗学。趣味は、お散歩プレイに放置プレイそれと緊縛。一応、雑誌では見たことあると思うけれど、よろしく」


「あ……ああう……」


刹那さんの自己紹介を聞いて、庵はなぜか震えだす。


「どうした庵?」


「い、いや……刹那さんって今や時代をけん引するグラビアアイドルでモデルをしている。あのSETUNAさんですか」


「そうだよ。よく知っているね、お嬢さん。そう私は、撮影者にいやらしい目で見られながら、柔肌を隠すさなか、裏では、調教遠隔ケツ穴バ〇ブから下着の代わりに縄を使うというスリルをたしなむ美少女SETUNAでもあるのだよ。お嬢さんは、私のファンか!」


それを聞いた庵は、膝を抱え落ち込む。


「ああ、私の中の完璧女性の理想が崩れる」


「あう! 蔑む目もまた! 良い!」


まったく状況を読めない俺は、蘭華ちゃんに助けを求めると蘭華ちゃんは、あきらめたように首を振る。


「いや、助けを求められても蘭華だって困るよ! 蘭華だって刹那さんが変態だなんて知らなかったし!」


だよな、そう思うと金髪ツインテールのシスターは、下品な笑いで笑い飛ばす。


「ぎゃはは、まあいいわ。んあじゃ次は、私な。私は、リリアン・ミュレール。ここのシスターで対社会性順応シスターの強襲隊隊長兼寮長だ年齢は……20歳だ、ひゃん!」


「いや、絶対に20歳じゃないだろう。肉体の付き方から……鍛えているが、お前未成年16歳ほどだろう」


俺は、ずっと持っていた疑問の解決のため、リリアンの足をまさぐり推測するのだがリリアンは、変な声をあげ蹴られそうになるが、それは予測済、風見珍を使うまでもない。


「お、お前バカだろう! 人の体まさぐって何をやってるんだよ!」


「おっと、嘘つきの匂いがしてな。ていうか、嘘ついて喫煙なんて未成年がしちゃいけないんだぞ!」


「うっせえ! 地元のフランスじゃ合法なんだよ!」


「いや、表向きは、フランスでも18歳からだぞ。嘘つきめ」


「ぐぐ……」


リリアンは悔しそうに歯ぎしりをするが、カメラを持った変態の男性も会話に入ってくる。


「リリアンの嘘が一発でバレるなんて面白いな。あ、俺は、国見良二大学年3年で専

攻は、映像文化研究科だ。趣味は盗撮でそこにいる刹那の幼馴染になるな。あ、安心しろ、俺は、画面越しの女しか愛せないから」


見るからに冴えないオタク……と言いたいが、素材はすごくいい。体も鍛えてはいる。

もったいない。


「よろしくお願いいします。俺は、按摩乱馬、高等部2年。趣味は、俺を愛でること、庵を落とすこと」


「あ、蘭華は、按摩蘭華! おにいの妹で大学3年生! 医療科学部で、趣味は、おにい全般です!」


「花園庵です。以後お見知りおきはしないでほしいです……」


全く、いつまで庵は落ち込んでいるのか……こんなにも楽しそうな寮生活が始まるというのに。俺は一抹の不安を感じ歓迎会というカオスを楽しんだのであった。

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