第21話 お互いの利益
「ここは…?」
周りを見渡すと床には、見た事のないような、貴族みたいなぬいぐるみが
一つある寝室のベットに寝ていた。
監禁らしき事もされてないし。
実験されそうな部屋でもないし…
なんなら殺されそうでもないし
傷も治ってる。
「あのぉ…誰かいない〜?」
声が小さな部屋に響く。
「というかこのぬいぐるみ…いいなぁ」
ルアナがぬいぐるみを触りたそうにそわそわしている。
「誰もいなしし、いいでしょ…。」
その時抱いた時だった。
「この触り心地、最高…!」
ふわふわのもふもふだぁ…!
「起きたか?」
その時、ルアナがぬいぐるみでじゃれていると扉か開き、クルモが入ってきた。
「こやっッッッ!?!?!」
ルアナが驚き固まった。
「そのぬいぐるみ俺ん家の家宝なんだぜ」
クルモがルアナを撫でながら言う。
「こやん!?というか家宝!?!なんでそんな物を私に!?!」
ルアナがぬいぐるみを丁重に置いた。
「この魔法道具は、治癒魔法では、精神は、治せないだろうし」
ルアナを抱っこし、撫でながら言う。
「…ありがとうございます」
なんでだろう、この人の雰囲気…落ち着くな。
「一応ルアナもギルドのメンバー…安心しろ、S級依頼を取り消してやる」
ルアナを撫でて少しもふりながら言う。
なんでそこまでするんだろう…
「とりあえず王の部屋に行くぞ」
ルアナを抱きながら連れて行こうとする。
「自分で歩くよ!?!」
ルアナがジタバタしながら言う。
「超麻酔(グレイトアネスシージア)」
「こゃ…」
クルモがルアナを触ると
ルアナが無気力になり、ぐったりする。
麻痺耐性が効いてない!?
どんだけ強い麻痺なん…だ。
というか、
なんで、こんなに…。こんなに…。
この国には…モフモフ好きしかいないんだ…。
ルアナが眠りに入った。
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5分後
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扉を開き2人が来る。
「失礼するよ、ロルドイー」
「敬語ぐらい、使えよ…クルモ」
王がため息をつき言う。
「まぁ、とりあえずルアナ連れて来たぞ」
「ん、んぅ?」
ルアナが目を覚ました。
「おぉ、目ェ覚ました?」
クルモがルアナを頭に乗せ言う。
「まだ、体が動かないけどねぇ」
ぐったりとしたルアナが言う。
というか。
草木地方(グリーンフォレスト)の地方王だよね、それに。
この部屋、前に来た王の部屋だ。
「狐…いや、ルアナよ、話しがある」
王があらたまって言う。
「なに〜?」
ぐったりとしたルアナが反応する。
「待てよ、これ、俺いていいのか?」
「別に、良い、お前がいてもいなくても関係ない」
ロルドイが言う。
「んで、話しってなんですか?」
「そうだな…では、本題に入らしてもらうぞ」
ロルドイが言うが言う。
「そもそも何故、S級になったかわかるか?」
「…不毛の砂漠(ベアレンデゼルト)の王に妬まれて…だっけ?」
「リアナに聞いていたか…お前の存在が不毛の砂漠(ベアレンデゼルト)の地方王、しかり、他の王がルアナを排除しようとしている」
相変わらず、酷い内容だなぁ。
「だがな、今お前を失うには、私としても都合が悪いのでな」
ルアナを見て言う。
「そこまでして私を守る理由って?」
首を傾げた。
「…そこまで言う義理は、ない」
王が目をつむり言った。
「確かに、そうだけど…{信頼には、秘密なき!}でしょうが」
「その通りだ…ルアナにも、そのくらいの事教えてもいいんじゃないか?」
ルアナに続いてクルモが言う。
「確かにそうだがな…だがこちらとしてもルアナを信頼できないのだ」
「そりゃ…まぁそっか」
まぁ悪意は、感じられないし
確かに、個的魔物(ユニークモンスター)をなくすのは、確かに都合が悪いのかな…。
それに、私に恩を売っとくって言う事なのかな。
「まぁ、わかったよ」
それに
今ここで断っても不利な状況でギルマスと戦う事になりそうだったし。
「それは、良かった
断っていたら、暴力沙汰にしてしまうとこだった」
王が言う。
やっぱりか!このジジイ!
「それで、私は何すればいいの?」
「ルアナには、ここでS級依頼が取り消されるまで大人しくしてもらう」
「それは、嫌だ」
ルアナが断言する。
「…何故だ?ここで批判的な事をすれば、殺されるかもなんだぞ」
「いつまで大人しくしてるか、わからないし、何より大人しくしてるのは、嫌い」
「…そうか、よかろう」
流石にバトる事になるかな…。
「じゃあ、俺が預かるよ」
クルモが言う。
「コャッ?」
ルアナが驚く。
「おぉ!確かにクルモに、預けていれば、大人しくしなくても、自由にしてられる」
そういう話じゃなくてね!
「あのね、私は…!」
「もちろん、ルアナの家で、カイと建築士とだ」
ルアナが口を挟もうとした時
王が言うとルアナが黙る。
「…私達も、ルアナを助けたい理由があるんだ…どうか頼む」
王が頭を下げる。
こんな大切な時に
頭を下げられたのは
いつぶりだろうか…
この人は、大事な時にしか頭を下げない人だ
…信頼できる
そう思ったなら…
私は、それに応えるだけだ
ルアナが、クルモの頭から飛び王の目の前に行った。
「…頭を上げてください」
ルアナが王の目の前に行った。
「わかりました、その契約受けます」
ルアナも頭を下げる。
「それは、本当か…!」
「私も、そこまでして断る必要ないですし」
ルアナが頭を上げる。
「お互いの利益があるようにしましょう!」
「…そうだな」
ルアナが言うと王が応じた。
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