第22話 居候が増えた日

私達は、あの後王と契約をし。

クルモと一緒に神社に向かっていた。


「そういえばクルモは、家に帰らなくてもいいの?」

ルアナが森を歩きながら言う。


「俺に、家なんてないぞ?」

「えっ?」

クルモがとぼけた顔で言うとルアナが驚く。


「じゃあ、どこにいたのよ!」

「森のしげみとかだぞ?」

ルアナがツッコミをすると

クルモがきょとんとした顔で言った。


家を持たないギルマスがいるのか。


「なんで、あんたの方が魔獣地味てるのよ!」

「そうか?人も魔獣も同じだ、俺達も自然から生まれたんだ」

ルアナが睨みながら言うとクルモが遠い目で言った。


…なんか、クルモってやばい奴だな、

でも。


「確かに…」


そうしてると、神秘の森の目の前まで来ていた


「おいおいおい、まさか、家って、神秘の森にあるのか?」

クルモがルアナに驚きを隠せない様子で言った。


「とりあえず行くよー」

ルアナが真っ先に神秘の森へと入る。


「おいおいまじか…」

「そもそも、なんでそこまで警戒するのよ」


ルアナがため息をついて言うとクルモがこう言った。


「そりゃ、お前…ここは、入ったら2度と出れないって噂だぜ」

「まじか…」

ルアナが驚きを隠せない顔をした。


「それによ、ここの管理人のグレープとか言う奴が人間だけ殺して行くんだぜ」

「んなわけ!」

ルアナが驚いて、否定した


理由なんて、ここを守ってるのは、今は!私なんて言えないからなぁ…。


「まぁ、そんな奴に俺は、負けないけどな」

「すごい自信…」

ルアナが引いてるとクルモが言う。


「そりゃ、そんぐらいの実績があるからだよ」


不思議な奴…本当に…。


そうしてると神社についた。


「すごい、まるで同調の神坂だ」

クルモが少し遠い目で言った。


「同調の神坂?」

ルアナが疑問そうに思い問う。


「遥か遠くの土地名だ、気にするな」


そう言うとクルモが神社の階段を登り出した。


気にしない方が無理だよ。

そんな事。

というか、じゃあ言うなし。


しばらくして、クルモが階段を登っていると言った。


「…階段長くないか?」

「怖気ついた?」

ルアナがくすりと笑いながら言った。


「怖気ついたわけないだろう!」

「ちなみに、あともうちょっとかかるよ」

「まじ…か…」


今思えば、前の神社の方が階段長かったし、それにこの神社は、5分ぐらいで着くでしょ。


「着いたら天国だよぉ」

「死ぬって事か!?」

クルモがツッコミをする。


「違うよ!?そう言う表現!着いたら良い景色だから」

「それは楽しみだな…!」

クルモに少し元気が出た。


「というか、テレポート的な事で一気に着けるんじゃないの?」

ルアナが疑問そうに言う。


「…こういう冒険は、自分の足で進まないと意味がないんだ」

クルモが汗をかきながら言う。


…へぇ、いい思考してるね。


私もレモンに会えると思っていたら、頑張れるし、着いた時の達成感は、凄かったからね。


「それじゃあ行こうか」

「あいよ!」


それに応答するように元気が出ていた。


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5分ぐらいした後、私達は、家に着いていた。


「…疲れた。」

ルアナが息を切らして言う。


「おいおい、さっきの威勢はどうしたんだ?」

「うっさい!!!」


しょうがないでしょう、歩く歩幅が、違うんだもの!

それに、使うエネルギーの量が違うんだから!


そんな事をして、私達は、神社の裏の玄関に行きドアを開けようとした時だった。


「どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」

「ぎゃあぁぁぁぁあ」

コアがドアを破壊して、ルアナを吹っ飛ばした。


「…oh」

クルモがかなり驚き、引いた。


「あれ、クルモじゃんか!何しにきたの?」

「ルアナの監視だよ、お前こそ、何してんだよ」

「にゃはは!ボクも住んでるんだ!この家に!」


やっぱ、いつかこの家壊れそぉぅ…。

ルアナが泣きながら戻ってきた。


「この家もいつまで持つのやら」

「むっ!破壊と共にあるから!いい家になるんだよ!」

「うっせー爆破猫」

「珍しいじゃないか…ギルマスがボクの事褒めるなんて」

コアが恥ずかしそうに言う。


「褒めてねぇよ!」

クルモがツッコミをする。


「それより、この家いいな、景色も空気も良い」

「この建物は、ルアっちのイメージなんだよ!」

「ほう、お前神代の歴史をしっているのか?」


そういうと、ルアナが来て目を回して疑問そうな顔を浮かべて言った。


「新代の歴史ってなにぃ?」

「それも、知らないで一体どうやってこれを知ったんだ?」

「…分からない」


ルアナが目を泳いで言う。


これ、他世界から来たなんて言ったら、また取り調べ案件だよね…。

…気をつけないと。


「まぁいい、とりあえず俺の世話よろしくな」

「…おい!今世話って言ったか?!

ギルマスだよね!?監視役だよね!?」

ルアナが驚き攻める。


「…やべ」

「やべって言った!よし!コアこの居候ギルマス追い出そう!!!」

「まかせんしゃい!!!」

ルアナがそう言うとコアが袖からボムを出した。


…こうして、1人【居候】がこの家に増えたのでした。

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