2.溜まりゆく、積ん読
自分が活字中毒である、という自覚はある。
電車の中ではスマホや本は欠かせなくて、ずっと何かしら読んでいるし、ぎゅうぎゅう詰めにされて手が使えなければ、広告を眺めている。お昼のパンの袋の裏側や、飲食店でテーブルに置いてある醤油の原材料なんかも、暇だったら読んでしまう。車の中では酔うので、やらないが。
本はもちろん好きだが、本が好きだから活字中毒なのか、活字中毒だから本が好きなのかは、よくわからない。ただ、暇なのが耐えられないのだ。
何と言うか、常に何か思考を動かしている。何も考えずにぼーっとするとか、瞑想するとかが、正直よくわからない。そんな思考のリソースを消費するために、活字が必要なのである。
診断を受けたことはないが、これはおそらく注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状なのではないかと思う。小学校の頃、クラスに一人はいたのではないだろうか。授業中おとなしくしていられなくて、立ち歩いたり騒いだりしてしまう子。「落ち着きがない」と言われてしまう子だ。
男性のADHDは、行動に注意欠如や多動性が多くみられるが、女性の場合、思考が散漫になりやすいらしい。多分私はそれ。授業中に立ち歩いたりはしなかったが、退屈と思うとノートの隅に落書きをしたり、教科書の授業とは関係のないところを読み進めたりしていた。おとなしい子と言われていたが、実際は頭の中が退屈に耐えられなのだった。ソースはネットの記事レベルなので、気になる人は論文とか探してください。
単純作業も好きではなく、手を動かしながら小説のネタを考えていたりする。この特性は、創作に有用と思えるかもしれないが、普通に仕事をする分にはおそらく役に立たない。やりかけのことを忘れたりして、ミスを生産することの方が多い。
で、何の話だっけ? そうそう、活字中毒の話。落ち着かない思考を向けるために、私には活字が必要なのだという話です。
本が、物語が好きだという気持ちに嘘はない。ただ、年々集中力と読む速度が落ちて、読みたいものを読み切れないという状態に陥っている。子供の頃は図書館で上限まで本を借り、返却期限までに全て読み終えていたものだが、今では返すまでに頑張って1冊読むのがやっとだ。
まあ、大人になれば本ばかり読んでいるわけにもいかないし、仕事をして家事をやって、読む以外にも書いたり、ゲームをしたり動画を見たりもしたいし、どうしても取捨選択をしなければいけない。
それでも週に一度は本屋をのぞき、好きな作家の新刊や、気になる本があれば買ってしまい、買っても読んでいない本が溜まっていく。
カクヨムでも、流れてくるレビューを見て、「この人が面白いって言うなら面白いだろう」と、興味を惹かれたものは作品ページに飛び、あらすじを読んで好みなら「後で読もう」と、とりあえずフォローしてしまう。
すると、その相手がこちらの作品を読みに来てくれることも多い。私もやるけれども。でも、私はまだそちらの作品を読んでいないのに、なんだか申し訳ない気持ちになる。面白いと思ってくれてるならいいんだけど。
後で読みに行くんで、ちょっと待っててください。ホントすみません。
そんなわけで、今日も積ん読が溜まっていく。でも、アンテナは広げていたいし、読みたいと思うものがあるのは、幸せなことなんじゃないかと思う。
そして、「この人が書くものなら読みたい」と思ってもらえるようなものが書きたいと思うのだった。
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