第10話 りららさん、怒らないでください。

小野寺あいは4年前に赤田姓を母親の離婚とともにすてた。


小野寺あいは最近からだが重く、病気がちだ。


一ヶ月後灰色の冬晴れの朝、赤田とあいは零堂珈琲に向かった。「幽霊なのかな」と内心からかうのではなく、心配していたのだ。


二人が店のなかに入ると、春子がまた立っている。


春子はおじぎをしてきたが、二人をみると泣き出した。「すみません。私····」


赤田は「どうなさいましたか? 覚えてらっしゃらないと思いますが、一ヶ月ほど前にここで朝、それは美味しいコーヒーをいただいたんですよ。あのときはどうもありがとうございます。」


「あなた、幽霊じゃないですよね? 」あいが続ける。


春子は「ご注文は」というと、涙をぬぐった。「生きていてよかった」そういうと後を向いた。


「実はわたしは、悪霊退治の春子といいます。もともと多量の睡眠薬で自殺したのですが、とある霊媒師さんに助けられて、ここで働いています。一回朽ちた身。世界を救いたいと考えて、信じてもらえないかも知れませんが。(化け狐)とたたかおうと思いましたが、その人から数多の幽霊では無理と言われました。その後、これも聞いた話なのですが、化け狐を封印する鍵、かつて(大天使エルク)から魔法を習った(りららさん)に弟子入りしたんです。」


赤田は「ワンダフル!!」と叫んだ。一斉に客の視線が集まる。


あいも興奮している。「人間じゃないの? どうやって退治するの?」


春子は「おっかしいなー」というと


ガタッ‼


赤田葉一が倒れた。


春子は「あー、わたしったら、(二回目)か!」というと身を乗り出した。


あいは「え、えーーー‼、また倒れるのお父さん、お父さんって悪霊?」叫んだ。







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