第4話 本当に好きだったのは

赤田は新宿から大月についた。このまま河口湖に向かう。


「あ···」車窓から雪が降ってきたのが見える。「あいは今、新しい父親のもとにいる。それでいいじゃないか」


雪を見て悲しくなるが、春子の淹れたコーヒーの味が恋しい。


「うん、死んだらコーヒーもう飲めなくなってしまうか」涙をぬぐった。「戻ろう」


吉祥寺駅についた。駅の喧騒のなかに青いリボンをしたあいによく似た女を見つけた。


だが雑踏のなかに消えてしまった。


「あれ?あいからもらったお守りが壊れている」



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