第3話 その人もコーヒーが好きです。

赤田葉一はコーヒーを飲み終わりぼんやりと春子を見た。春子は青いリボンで後ろ髪をまとめていた。


「娘も今年は成人だな。元気にしているかな」赤田はふと4年前別れた妻との娘のあいのことを思い出した。


「考えてもはじまらないか」赤田は河口湖に向かうことにした。


総武線は新宿に向かう。人の数は変わらないが、考えていることは違うだろう。


新宿を出る時にやけに自分のことを心配そうに見る男がいた。ああいう男はきっと不思議な人生を送るのであろう。「きっとあの世にでも友人がいるのかな」

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