第2話 とても寒い日ですね。
「いらっしゃいませ」春子は背広姿の小柄な男に声をかけた。男はまずガラスのケースのなかを見ていた。
「ご注文お決まりでしたらおうかがいいたします」
男は進むと「あ、じゃあホットコーヒーのSを一つ」と注文した。
その男は赤田葉一という。
「お待たせいたしました」春子はコーヒーを赤田の前に置いた。
そのあついコーヒーが赤田の冷えきった体と心を暖めるのだった。
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