第47話 ぶぶー!

この文化祭はとても大きなものになりそうな気がする。

私にとっても春樹にとってもみんなにとっても。

何故なら今年は規模が違うからだ。


今年は近場の...別高校と共同して文化祭をやる。

皮肉にもその学校は...伊藤が退学し。

須崎シノンも退学した学校だった。

まあもうどうでも良いけど。


「飲み物買いに行かないか。愛花」

「そうだね。春樹」

「お?デートか?」

「違うわアホ」


坂本くんがふざけながら聞いてくる。

それに対して春樹が怒りながら反撃した。

それから私達は小銭を持ってから自販機がある場所に向かう。

そして自販機で...スポーツドリンクを買ったりコーヒーを買ったりした。

そうしてからオレンジ色の空を見る。


「なあ。愛花」

「何?春樹」

「...出会ってから付き合って。そして半年以上経ったからさ。何処か行かないか。祝いで」

「うん。春樹が行きたい所に行くよ」

「そうだな。...えっとな。俺は...ショッピングセンターで映画でも観たい

「そっか。じゃあ観ようか。どんな映画?」

「ああ。...恋愛映画だ」

「却下」


私は腕を組んで「ぶぶー!」と言う。

それから地面に腰掛けた。

春樹は衝撃を受けながら「な、何で!?」と言う。

私は怒りながら「春樹が見たいものが良い」と話した。


「春樹はアニオタでしょ?」

「違うが...」

「じゃあアニメ映画とか観たくないの?」

「だけどそれじゃお前が楽しめないだろ」

「はい!ぶぶー!!!!!」


また私は手を組み大声を発する。

春樹は唖然としながら私を見てくる。

「何でそうも私に合わそうとするの」と私は怒る。

そして春樹にふくれっ面を見せる。


「いやでも...お前さん楽しく無いだろ」

「私は春樹に楽しんでほしい。それから私はアニメ映画も好き。最近は勉強している」

「...なら○ナンでも観て良いか」

「ぴんぽん」

「...やっとか」


春樹は盛大に溜息を吐いて苦笑した。

それからスポーツドリンクを飲む。

私は手を差し出した。


それ頂戴コールをする。

春樹は「へ!?」とスポーツドリンクを見る。

そして赤くなった。


「良いじゃない。私達はカップルなんだから。...間接キスぐらい気にしない」

「しかしお前な!いきなりすぎるわ!!!!!」

「いきなりでーす。頂戴」

「...わかったよ」


そして私は飲みかけを貰ってから飲む。

美味しい感じがした。

正直、スポドレとか滅多に飲まないが疲れた体にはこれだ。

そんな感じがした。


「春樹。はい」

「な、何だ」

「コーヒー。飲む?」

「お前がキスしているだろ!!!!!」

「関係無いよ?私達はベストカップルだから」


私はごり押しで渡す。

それから春樹に飲ませた。

そして私はそれを受け取ってから飲む。

全部飲んでから私はオレンジ色の夕日を見た。

そうしてから黄昏る。


「...良い景色だね」

「いつもと変わって時間が遅いしな」

「そうだね。私は幸せものだね」

「...」


そして私は春樹の横で頭を春樹の肩に乗せる。

それから鼻歌を歌った。

そうしていると春樹も頭を私の頭に乗せた。

イチャイチャして5分ぐらい経った時に私は春樹を見た。


「じゃあそろそろ戻ろっか」

「そうだな。じゃないと坂本に...」


そこまで言った時。

どざざざざ!!!!!と音がした。

私達はビックリしながら背後を見る。

背後の柱辺りを見ると「退散!!!!!」と声がした。

それは...坂本くん達だった。


「何やってんだお前ら!!!!?」


と春樹が唖然としながら暴れる。

よく見るとシウまで居る。

私は苦笑いを浮かべながら退散をするみんなを見る。


坂本くん達は逃走をしてから教室に帰った。

私達も追う様にしながら教室に帰る。

全くな、とは思うけど。

だけど本当に楽しい。

今が一番。


☆横田春樹(よこたはるき)サイド☆


とんでもない奴らだ。

俺達を見ていやがった。

そして監視してやがった。

全く...な。


「斗真。お前いい加減にしろ」

「いやはや。良い景色を拝ませてもらった」

「馬鹿野郎かお前は」


そんな感じで俺は斗真の胸倉を掴んで揺さぶる。

すると「はいさーい」と声がした。

背後を見るとそこにマリンさんが居た。


「マリン」

「マリンさん?」

「はい。黒糖。美味しいよー」


そう言いながら黒糖を渡してくるマリンさん。

それから笑顔になってから斗真を見る。

斗真は「?」を浮かべて黒糖をボリボリ食べる。

するとマリンさんが「斗真。春樹っちに迷惑をかけちゃいないよねぇ?」と口をへの字にする。


「当たり前だ。...相棒だしな」

「の割にはお前は...」

「ふへへ。まぁ良いじゃねーか」

「...ったく」


そんな言葉を発しながら俺達はクラスに戻る。

それから俺は「お帰りぶっ殺す」と歓迎される。

何ちゅう奴らだ...。

俺が何で殺されなくてはならない。


「佐藤と見せつける様にイチャイチャしやがって」

「その通りだな。殺すぞ」

「全くその通り。ぶっ殺す」

「コロスコロスコロス...」


1人怖い奴が居る。

そんな姿に斗真を見る。

斗真はボリボリと無邪気な感じで黒糖を食べる。


その姿にクラスメイトに「覗きの提案者は誰だ」と聞く。

クラスメイトは「坂本だわ」と一同に答えた。

やっぱお前か!!!!!斗真ぁ!!!!!


「まあまぁ良いじゃねーか。尻と同じ様に見たって減るもんじゃねーし」

「そういう問題じゃない!生き恥を晒したようなもんだ!!!!!」

「ハハハ。...まあそれはとりま置いておいて」

「置くな」

「まあまあ。...取り敢えず文化祭まであと何日しかねーからやるぞみんな!」


そして「「「「「うぇーい!!!!!」」」」」と返事をするクラスメイト。

俺はその姿に溜息を吐く。

(コイツ無駄に統率力あるよな...)とそう考えながらだ。

面倒だがやるか。

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