第35話 友達
☆佐藤愛花(さとうあいか)サイド☆
私は猫又さんに会う為に校舎を歩いていた。
それから私は猫又さんのクラスに行く。
そして猫又さんを探した。
すると背後から声が。
「にゃ?どうしたの?愛花ちゃん」
「あ。猫又さん。...実はお話が」
「お話?何の?」
「...私がどうこれから色々な人と付き合って行ったら良いか...その。奈央さんらしいアドバイスが欲しくて」
「...成程ねぇ。なかなか難しい考えだね」
それから顎に手を添える猫又さん。
そして数秒してから顔を上げた。
「私的にはいつもどおり。貴方の気分でいったら良いと思うんだよね」と言う。
私は「!」と思いながら猫又さんを見る。
「...どうあっても自分は自分だから」
「...アハハ。猫又さんらしいですね」
「にゃ?そうかな。...所で何でそれを?」
「私が...もっと人と関わりたいって思ったからです」
「...成程ねぇ」
猫又さんはニコッとする。
それから私を見てくる。
私は「私は駄目な人間です。だからこそもっと関わりたいって思ったんです」と言葉を発する。
「素晴らしい意気込みだね」
「そうですね。...先ずはそう決めようかなって」
「...もし良かったら私と友達にならないかな」
「...え?ね、猫又さんと?」
「そうそう。私と一緒に動いてみない?それが先ずは練習になるんじゃないかな?」
「...!」
私は赤くなる。
それから猫又さんを見る。
猫又さんは私を見ながら微笑んだ。
こんな人間が。
友人になっても良いのだろうか。
「...分かりました。じゃあ宜しくお願いします」
「うんうん。敬語も無しね」
「...え?」
「敬語ばっかりじゃん。ダメダメ」
「...そ、それは。私は他人に接する時はこれが...」
「私は他人なの?」
「...」
その言葉に私は「うん。じゃあ...」と敬語を止める。
それから猫又さんを見た。
猫又さんは笑顔を浮かべながら「今日から宜しく」と握手を求めてきた。
私はその事にまた赤くなって恥じらいながら手を握る。
すると猫又さんはハグをしてきた。
「うん。これで契約完了だね。今日から何があっても守るからね。愛花ちゃん」
「...はい。奈央さん」
それから私は笑みを浮かべると奥から声がした。
「佐藤さん」とだ。
それは...シウだった。
私は「?」を浮かべて見ていると奈央さんが「誰?」と私に聞いてきた。
「話したら長くなるよ。奈央さん」
「ああ。成程ね」
「...お兄ちゃんの事でお話があります」
シウはそう言いながら私を見る。
私は緊張しながらも頷く。
それから私はシウに付いて行こうとした。
すると奈央さんが「私も行って良いかな」と言葉を発した。
「え?だけど...」
「...私は友人だから。...友人が居なくなるならそれを防止する必要がある」
「...でも奈央さん。私の...これは深刻ですよ」
「私は覚悟が出来ているにゃ。大丈夫だよ」
言いながら私に歩み寄って来る奈央さん。
私はその言葉に苦笑しながらシウを見てみる。
シウは「分かりました」という感じで返事をした。
それから私達は空き教室に向かう。
「この場所でお話ししたいです」
「シウ。お兄ちゃんって...あの人だよね。坂本くん」
「そうです。...彼の素性が分かりました」
「え?素性って...」
「お兄ちゃんには兄が居ます。...そのお兄さんは今、お父さんを支える為に色々と活動中らしいです。そして...お兄ちゃんの素顔。これは...お父さんを支える為の別のスパイ活動の様です。...それも貴方の一族を調べる為に」
「...それって...」
「...佐藤さん。こんな事は言いたくないですが...お兄ちゃんはきっと佐藤一族から環境を守ろうとしているんです。その。...お兄ちゃんに協力してあげてもらえませんか」
私達は顔を見合わせる。
それから奈央さんが質問する。
「それはどういう事?」と言いながらだ。
するとシウは「要は...佐藤一族の魔の手から全てをお兄ちゃんは守ろうとしてます。例えば...横田春樹の人生とか」と言葉を発する。
私は考え込む。
「それから考えたくないですが恐らく...佐藤さん。貴方の周りに敵が居ます」
「...敵ってのは?」
「...貴方は恐らく泳がされています。佐藤一族に」
「...!!!!!」
「それはきっと彼方さんも一緒です」
「...それで今までずっと佐藤一族は私達にあまり接して来なかったって事」
「恐らくはですね。...これから敵が現れると思います」
そう言いながら考え込むシウ。
私はその姿に唇を噛む。
どれだけクソッタレな一族なのだろうか。
そう思いながら私は高笑いしてそうな憎い父の姿を思い浮かべる。
クソ忌々しい。
「...私が守るよ」
「...え?」
「愛花ちゃんは私の友達だから。だから守る」
「...奈央さん...」
「...その為には恐らく常に周りを警戒する、常に人を疑う必要性があります」
「...それでも私は愛花ちゃんの友人だもん。そして...春樹の友人だから」
奈央さんはそう言いながら真っ直ぐにシウを見る。
シウは考え込みながら「少しだけ考えさせてください」と言う。
それから「そろそろ戻りましょう」とドアを開けた。
そして表の光が差し込んでくる。
「愛花ちゃん」
「...何?奈央さん」
「貴方の荷物の半分。引き受けるよ」
「...奈央さん...」
「だって私の友人だからね。おバカな人間だけどやれる事はしたい」
「...」
恵まれているな私は。
そう思いながら私は奈央さんを見た。
それから私は拳を握る。
環境に適応する決意をした。
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