第46話 アマイデザート
ラーメンが届くと、
「こまちちゃんの連載小説読んでみたいな。何の雑誌に載ってるの?」
と聞かれた。
『文学雑誌に載ってるよ。帰ったら、写真送るね!』
「ありがとう!のびないうちに食べようか!」
自分で教えるのも恥ずかしい。
まだ、胸を張って言えるほどの実力ではない。
でも、こんな私でも、みんなは胸を張って話してくれている。
私も自分の作品にもっと自信を持たないとね。
もう少し先になるかもしれないけど。
『大輝さんに伝えられてよかった!』
これで、休日が合っていても会えない日がある理由が分かってもらえたと思う。
「楽になったならよかった!」
うん、少し楽になった。
別に、大輝さんに隠し事をしていたわけではないけど、話せてよかった。
『大輝さん、今度の休みに紅葉を観に行かない?私、ゴンドラに乗ってみたいの!』
「おっ、いいね!じゃあ、11月の初めくらいに休み合わせる?その週は打ち合わせとか大丈夫?」
『うん、大丈夫!』
ミーティングは、確か2・4週の木曜日だったはず。
ラーメンを食べ終えると、
「ラーメン食べた後って、甘いものが食べたくなるね。2人で1つのソフトクリーム食べる?」
と、大輝さんから提案された。
私もソフトクリーム食べたい。
『うん、ソフトクリーム食べたい!』
「OK、注文するね!バニラでいい?」
『うん、いいよ!カップの方が食べやすいかも。』
2人で食べるなら、コーンよりカップの方が食べやすいよね
「OK。スプーンも1個でいいよね?」
スプーン1個なの??
えっ?それって、もしかして…間接キス?!///
いや、大輝さんは意識してないかも。
『うん。』
1個頼むのに、スプーン2個も不思議に思われるか。
私も意識しないように平然を装ってたけど、やっぱり無理…///
ソフトクリームが届いて、どっちが先に食べるか様子を見る。
すると、大輝さんがスプーンですくって、私に差し出してきた。
スプーンを受け取ればいいのかしら?
スプーンを取ろうとすると、大輝さんは首を横に振った。
違うの?!
これは、もしかして…食べろってこと?!///
どういう意味かわかって、焦っている私を見て、ニコニコしている大輝さん。
『い、いただきます///』
意を決して、差し出されたアイスを食べる。
大輝さんは、満足そうにさっきより笑顔でこちらを見ている。
”俺にもやって。”という声が聞こえる気がする…。
恥ずかしいけど、大輝さんにやられたことをやり返してみる。
大輝さんの顔がゆっくり近づいてくる。
わ〜、ドキドキする///
「照れてるこまちちゃん可愛い。明日は、仕事?」
『明日は、本業の仕事でミーティングだよ。大輝さんは、遅番だっけ?』
「そっか、頑張ってね!うん、遅番だよ。」
『お互い頑張ろうね!私も10時からなの。』
だいたい2時間くらいやって、どこかでランチを食べて帰るのがお決まりコース。
梨乃達と休みが被っていたら、連絡取って遊ぶけど、被っていなければ帰って執筆してるかゲームしてる。
来週は、大輝さんとお休みが被っている日があるから、お出掛けの予定。
「じゃあ、また来週ね!帰ったら、また連絡するね!」
『うん!また来週!』
と、言って解散した。
明日のランチは何を食べようかな。
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