第36話 キンキョウホウコクカイ2
「こまちさんって彼氏できました?」
『蘭さん?!き、急にどうしたの?!』
突然の問いかけに慌てる私を見て、
「できたわね。」
と、確信する華音。
うぅぅ...長年の付き合いには、見抜かれてしまうのね。
『できました。』
見抜かれてしまったなら、正直に言った方が楽だわ。
「「おめでとうございます!!」」
と言ってくれる、和果さんとひよりさん。
『ありがとう?でも、どうして分かったの?』
ペアルック的なものは、何もないはず...。
どこで分かったんだろう?
「髪の毛切りましたよね!前は切っても、あまり長さを変えてなかった気がします。」
と、話す蘭さん。
確かに、前は今のような長さまで切ることはなかった。
今は、鎖骨くらいの長さでちょうどいいと思っている。
「そうね。キレイにアイロンもしているし。前に集まった時より、明るくなった感じがするわよね。」
と、華音も蘭さんに同意した。
たぶん、明るくなったのは、作家の仕事が上手くいっているからだと思う。
「お相手の方は、どんな人なんですか?!」
と、食い気味に聞いてくるひよりさん。
『どんな人と言われても・・・。うーん...中身のこと?それとも外見?』
「中身が知りたいです!」
『中身ねー...。そうね。一途で、ちょっと心配性だけど優しくて、頼りになって面白い人よ。』
大輝さんは、去年の秋くらいから、私に好意を持ってくれていたと言っていたけど、私が全くそれに気がつかなかった。
それでも、好意を持ち続けて、遊びに誘ってくれた。
本人も一途だと言っていたし、気づかれていなくても諦めなかったのは、本当に一途だと思う。
「どんな所が心配性なの?」
と、華音に聞かれた。
なんでみんな私の恋愛事情な興味あるの?!
『体調を崩すと、熱計った?とか一応、病院行った方がいいんじゃない?とか言ってくれるよ。あと、夜勤明けで友達と出掛けるって言うと、事故に遭わないようにね。とかちょくちょく休憩してね。ってLINEしてくれるよ。』
「優しいわね。こまちを大切にしているのが分かるわ。」
『だから、私もこの人を大切にしないとって思ってるよ。』
でも、どうすれば大切にしているのが伝わるんだろう?
「こまちさんが好きな気持ちは、ちゃんと相手に伝わってると思うよ!」
と、和果さん。
『ありがとう。』
「頼りになるってことは、歳上ですか?」
と蘭さん。
みんな興味があるのね。
今まで、私がみんなに恋愛の話題出してこなかったもんね。
『ええ、歳上よ。15歳くらい上だったかな?』
と言うと、みんな驚いていた。
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