第35話 キンキョウホウコクカイ

「今日は、久しぶりに集まれて嬉しいよ!」

と、和果さん。

それを合図のように、

「「「「『カンパーーーイ!』」」」」

と、みんなとコップを合わせた。

「ねぇねぇ!ひよりの舞台観に行ったよ!やっぱり、ひよりはスゴいね✨」

と、和果さんが切り出す。

「本当ですか?!来てくださっていたんですね!嬉しいです!」

「あんなにスラスラセリフが言えちゃうんだもん!練習大変だったでしょ?」

「お稽古は大変でした。でも、とっても楽しかったです!」

「そうなの?!あの衣装も凄いよね!!」

「ありがとうございます!来週末で今の舞台の公演が終わるんです。そしたら、少し連休がもらえることになってます。」

私は、学生の頃からずっと、ひよりさんの原動力が知りたかった。

きっと今までも、色んなことを悩み、苦しんできたと思う。

それでも、逃げずに向き合い、目指し続ける。

それは、お母様のような女優になりたいという意志だけなのだろうか。

何が彼女の頑張り続ける希望なのか。

来週の舞台鑑賞で、それが少しは分かるだろうか…。

「そう。少しは休めるのね。休める時に休んでね。」

と、華音。それに対して、ひよりさんが、

「いつか、みなさんに観に来てほしいです!その日のために、私もっともっと頑張ります!」

と言った。

「いつか必ず行くよ。」

と、蘭さん。

今回は、書籍のアイディア探しのために行くけど、いつか純粋に舞台を楽しみたいわ。

「私も、ひよりの舞台を観に行ってみたいわ!こまちもそう思うでしょ?」

と、華音に話を振られた。

『そうね。行きたいわ!』

この舞台鑑賞で何か得ることができればいいな。

そうすれば、ひよりさんのストーリーも大きく進むと思う。

「お待ちしてます!」

「連休ができたら、リフレッシュするといいわ。自然が多い所へ出掛けたり、体を休めたりね(*'ᴗ'*)」

と、華音がひよりさんへ言った。

舞台公演中は、中休みで1日休みがあるらしい。

でも、なかなか疲れは取れないわよね。

『そうね。自分の行きたい所へ行ったり、食べたいものを食べたりするのも良さそう!』

自分がやりたい事ややってみたい事をするのが、一番の気分転換になるのよね。

「ありがとうございます!それを楽しみに、あと少しの公演頑張ります!!」

「頑張れひより!」

と、応援する和果さん。

「ひよりの舞台が終わったら、またお疲れ様会しましょうよ!」

と、提案する蘭さん。

「『やりましょう!』」

私も華音も賛成だ、

大きなお仕事をやり切った後だから、やりたい。


みんなの近況を聞いていたら、小説のアイディアが浮かんできた。

途中から、メモとペンを持って書きながら聞いていた。

「こまちさんは、最近どうなんですか?」

と、蘭さんに話を振られた。

『どうって?最近は、みんなのおかげで小説も順調なの(*^^*)』

「やっぱり!今の小説のモデルって和果ですよね!?」

『うん。今回の小説のテーマが夢と希望なの。まさに、ぴったりなテーマだと思っているわ!』

たしかに。とみんな納得の様子。

みんなには、まだ内緒だけど、今回は全員がモデルでそれぞれストーリーがある。

「あの小説を読んでいると、いつでも和果が近くにいるような気がして元気が出るわ!」

と、言ってくれる華音。

『私も書いていて元気と希望をもらっているわ。』

和果さんの話を聞きながら、今の等身大の和果さんを表現できるように日々頑張っている。

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